(Q1)風呂桶が破損した場合、その修理費用は家屋補修費の支給対象となりますか?(Q2)重度の心身障害者や歩行困難な高齢者が自宅で入浴する必要がある場合、入浴設備の設置費用は支給対象となりますか?

(A1)はい。この質問は、生活保護の**住宅扶助(住宅維持費)**として、壊れた風呂桶の修理費を支給できるか、という問題です。

簡単に言い換えると、

「生活保護を受けている人の自宅の浴槽が壊れて、お風呂を使えなくなった場合、その修理代を生活保護から出してもらえるのでしょうか?」

という質問です。

結論としては、風呂桶(浴槽)の破損状況や住宅の設備状況などから、居住するために必要不可欠な補修と認められる場合には、住宅維持費として認定できる可能性があります。

住宅扶助には、家賃だけでなく、被保護者が居住する家屋について**居住に必要な補修その他住宅の維持のために必要な費用(住宅維持費)**を認定する仕組みがあります。

例えば、浴槽に亀裂が入って水をためることができず、ほかに入浴設備もないため、日常生活上必要な入浴ができない状態になっている場合には、修理の必要性を確認したうえで住宅維持費の対象になるかを判断します。

ただし、「壊れた浴槽なら何でも生活保護で修理できる」ということではありません。 特に賃貸住宅の場合は重要です。浴槽が大家の所有する設備であり、賃貸借契約上、大家側に修繕義務があるのであれば、原則として、まず家主に修理を求めることになります。被保護者が本来負担する必要のない修理代まで住宅扶助で支給するものではありません。

また、単なるグレードアップ、例えば「古い浴槽を高級な浴槽に交換したい」といった費用は、通常の必要な補修とは区別されます。

したがって、この質問は、**「風呂桶の修理が、居住を維持するために必要な補修であり、かつ本人が負担すべき費用である場合には、住宅維持費として認定できる可能性がある。ただし、賃貸住宅で家主が修理すべき設備なら、まず家主の修繕義務を確認する」**と理解すると分かりやすいです。

なお、住宅維持費には基準額・特別基準がありますので、実際の修理費全額が必ず支給されるわけではありません。

(A2)はい。一定の条件を満たせば、入浴設備の設置費用を生活保護の「住宅維持費」として支給対象にすることができます。

厚生労働省の現行の実施要領の取扱いでは、重度の心身障害者や歩行困難な高齢者等が、自宅で入浴することが「真に必要」と認められる場合には、入浴設備の敷設費用を住宅維持費の対象として取り扱って差し支えないとされています。

簡単に言い換えると、

「障害や高齢のため銭湯などへ行くことが難しく、自宅で入浴できる設備がどうしても必要な場合、生活保護から浴槽などの設置費を出してもらえるのでしょうか?」

という質問です。

答えは**「必要性が認められれば可能」**です。例えば、歩行が著しく困難で近隣の公衆浴場を利用することが現実的に難しく、自宅でなければ入浴できないような場合が考えられます。

また、この取扱いは重度障害者や歩行困難な高齢者だけに限定されているわけではありません。それ以外の被保護者でも、他に適当な入浴方法がないと認められる場合には、入浴設備の敷設費用を住宅維持費の対象とすることができます。

ただし、希望すれば自由に新しい浴室を設置できるという制度ではありません。住宅維持費は、現に居住する家屋の補修・維持等について、**「社会通念上最低限度の生活にふさわしい程度」**を基本として認定されます。

なお、2026年度の住宅維持費の基準額は年額13万6,000円以内で、通常の基準では対応できず、やむを得ない事情がある場合には、実施要領上、基準額の1.5倍の範囲内で特別基準を認定できる仕組みもあります。

したがって、実務上は、**「本人の障害・歩行能力 → 公衆浴場等を利用できるか → 訪問入浴など他の方法が利用できないか → 自宅への設備設置が真に必要か → 設置内容・費用が最低限度か」**という流れで検討すると分かりやすいです。

要するに、**「重度の心身障害者や歩行困難な高齢者等について、自宅での入浴が真に必要と認められる場合には、浴槽などの入浴設備を設置する費用を住宅維持費として認定できる」**という取扱いです。

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