(Q)生活保護を受けている30歳のAさんが、無職無収入でありながら自動車を保有しています。福祉事務所からは自動車の処分を指導されていない状況ですが、最近になり処分を求められる可能性が出てきました。Aさんはマッサージ師の資格取得を目指しており、資格取得や通勤のために車が必要だと主張しています。この場合、行政書士としてどのように対応すべきでしょうか?
(A)① まず大前提(原則)
生活保護制度では、**自動車は原則として「保有不可」**です。
理由はシンプルで、
- 生活に必須でない
- 維持費(保険・税金・ガソリン代)が生活扶助と両立しない
とされているからです。
👉 そのため、「無職・無収入で車を持っている」状態は、基本的には処分指導の対象になります。
② ただし「例外」があります(ここがポイント)
自動車でも、**一定の条件を満たせば「例外的に保有が認められる」**ケースがあります。
代表的な例外は次のような場合です。
- 就労・就労準備に不可欠
- 公共交通機関の利用が著しく困難
- 障害・疾病等により代替手段がない
- 就労による自立助長効果が明確
👉 今回のAさんの場合、
「マッサージ師の資格取得 → 就労 → 生活保護からの自立」
という流れが見えるため、例外の可能性は十分あります。
③ 行政書士としての核心的な対応方針
ポイントは感情論ではなく、**「必要性を客観的に説明できるか」**です。
🔑 主張の軸はこの3点
Aさんの主張は、次のように整理します。
- 資格取得が現実的で具体的であること
- 養成校・通信講座等に実際に在籍/申込み予定
- 修了時期・試験予定日が明確
- 車がなければ資格取得・通学が困難であること
- 通学先までの公共交通の有無・本数
- 所要時間の比較(車 vs 公共交通)
- 資格取得後に就労見込みがあること
- 就職先の想定(訪問マッサージ等)
- 車を使う業態であること(訪問型・出張型)
👉 **「今すぐ必要」ではなくても、「自立に不可欠な準備行為」**である点を強調します。
④ 実務でやるべき具体的な対応(行政書士の腕の見せ所)
行政書士としては、**口頭説明で終わらせず「書面化」**するのが重要です。
✅ 作成・準備を勧める書類
- 自動車保有理由書(意見書)
- 資格取得計画
- 通学・就労と車の関係
- 自立に向けたロードマップ
- 資料添付
- 養成校の案内・申込書
- 通学経路図・時刻表
- 就労見込みを示す資料(求人票など)
👉 「本人の希望」ではなく
👉 「福祉事務所が判断しやすい材料」を出すのがプロ対応です。
⑤ 福祉事務所へのスタンス(対立しない)
重要なのは、「処分指導=即違法」ではないという理解です。
- 福祉事務所は制度上、処分を検討せざるを得ない
- 行政書士は「対抗」ではなく「補足説明役」
👉 ですので、
「例外要件に該当する可能性があるため、慎重な判断をお願いします」
という立場で臨むのがベストです。
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