(Q)障害者が自動車を保有する際の要件として、福祉事務所から「通院以外の目的で使用してはならない」と指示される場合があります。この指示に違反して目的外使用を行った場合、福祉事務所がその事実を把握した際に、保護の廃止などの不利益処分を受ける可能性があるのはなぜですか?
(A)① なぜ「通院目的のみ」と制限されるのか?
生活保護制度(生活保護法)は、
「資産や能力を活用しても最低生活を維持できない場合に、最後の手段として保障する制度」
です。
自動車は原則として
👉 換価可能な資産(売ればお金になる財産)
と扱われます。
そのため、
- 通勤に必要
- 障害により公共交通機関が利用困難
- 通院に不可欠
などの 特別な事情がある場合のみ例外的に保有が認められます。
つまり、
🚗「好きに使っていい財産」ではなく
🚗「特別に条件付きで認められたもの」
という位置づけです。
② なぜ目的外使用で不利益処分になるのか?
理由は大きく3つあります。
① 保護の前提条件が崩れるから
福祉事務所は、
「通院のために必要だから保有を認めます」
という条件付きで判断しています。
それなのに
- 買い物
- レジャー
- 仕事(許可外)
- 家族送迎
などに使えば、
「通院限定という前提が崩れた」
と判断されます。
これは
許可条件違反=保護要件を満たしていない状態
と評価され得ます。
② 指導・指示違反になるから
生活保護法第27条には、
福祉事務所は被保護者に対して必要な指導・指示をすることができる
と規定されています。
この「指示」に従わない場合、
- 指導違反
- 保護変更
- 停止
- 廃止
といった処分の対象になります。
つまり、
🚨「約束を破った」という扱いになる
ということです。
③ 不正受給と評価される可能性があるから
もし、
- 最初から通院以外にも使うつもりだった
- 目的外使用を隠していた
という事情があると、
「虚偽申告」や「不正受給」と評価される可能性
も出てきます。
この場合は
- 返還命令
- 加算金
- 刑事告発
に発展するケースも理論上はあります。
③ すぐ廃止になるのか?
実務上は段階があります。
通常は
- 口頭注意
- 文書指導
- 改善指示
- 保護変更
- 保護停止
- 保護廃止
という流れになります。
ただし、
- 繰り返し違反
- 悪質
- 虚偽説明あり
の場合は一気に廃止に進む可能性もあります。
④ なぜそこまで厳しいのか?
生活保護は税金で運営されています。
そのため行政は、
「本当に必要な範囲のみ認める」
という運用をします。
自動車は生活の利便性が高い資産なので、
- 保有が例外
- 使用も例外的範囲
という扱いになるのです。
⑤ まとめ(超シンプルに)
目的外使用で不利益処分になる理由は:
✅ 条件付き許可だから
✅ 指示違反になるから
✅ 虚偽と評価される可能性があるから
つまり、
🚗「認められた範囲を超えた=保護の前提が崩れる」
これが本質です。
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