(Q1)入所者が医療扶助を要する場合、どのような基準で実施責任自治体が決まりますか?
例:甲または乙が通院や入院による医療扶助を要する場合、現在地によって実施責任が決まるのはどのような場合ですか?
(A1)はい。生活保護法の実施責任は少し複雑ですが、わかりやすく説明します。
結論
保護施設や老人ホームなどの施設に入所している人が医療扶助(通院・入院)を受ける場合でも、原則としてその人の生活保護の実施責任を負っている福祉事務所が医療扶助も担当します。
つまり、
- 神戸市の福祉事務所が保護を実施している人
- その人が大阪府内の施設に入所している
という場合でも、原則は神戸市の福祉事務所が医療扶助を担当します。
「現在地」で決まる場合とは?
生活保護法では、原則として「居住地」または「現在地」の福祉事務所が実施責任を負います。
しかし施設入所者については例外があり、
① 保護施設等への入所措置による場合
例えば、
- 救護施設
- 更生施設
- 授産施設
- 養護老人ホーム
- 特別養護老人ホーム(措置入所)
などに入所している場合は、
入所前に保護を実施していた自治体が引き続き責任を負います。
そのため、通院や入院の医療扶助もその自治体が担当します。
② 現在地の自治体が担当する場合
次のような場合は現在地の福祉事務所が担当することがあります。
- 保護を受けていない人が旅行先などで急病になった
- 行旅病人として保護が必要になった
- 新たに生活保護申請をする時点で居住地がない
- 急迫した事情により現在地で保護開始が必要になった
このようなケースでは「現在地保護」となり、現在いる場所の自治体が実施責任を負います。
ご質問の「甲・乙」の例
甲(施設入所中)
神戸市で生活保護受給
↓
姫路市の施設へ入所
↓
姫路市の病院へ通院
→ 原則として神戸市が医療扶助を担当
乙(旅行先で倒れた)
生活保護未受給
↓
大阪市滞在中に倒れる
↓
緊急入院が必要
→ 大阪市が現在地保護として担当
行政書士実務でのポイント
施設入所者の相談で重要なのは、
「その施設入所が生活保護法上の継続ケースなのか、それとも現在地保護として新たに開始されたケースなのか」
を確認することです。
実務上はケースワーカーに
「当該利用者の実施責任自治体はどちらでしょうか。居住地保護ですか、現在地保護ですか。」
と確認すると早いです。
一般的な老人ホームや障害者施設へ入所している生活保護受給者であれば、ほとんどの場合は入所前の福祉事務所が引き続き医療扶助を含めて担当していると考えて差し支えありません。
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