(Q1)ある人が現在所属している団体や組織から離れる場合、それを『転出』として取り扱ってもよいのでしょうか?(Q2)上記のようなケースを転出として取り扱うことに問題はありませんか?

(A1)結論

「所属している団体・組織から離れる」というだけで、生活保護上の「転出」として取り扱うわけではありません。

ここでいう「転出」は、単に会社・学校・施設などの所属関係から離れることではなく、生活の本拠や世帯との関係が変わり、その人が従来の世帯・居住地から離れて生活することを意味するものとして判断します。

例えば、会社を退職した、学校を退学した、クラブや団体を脱退したというだけなら、通常はそれだけで「転出」とはなりません。住んでいる場所や世帯関係が変わっていないからです。

一方、ある人が従来の世帯を離れて別の場所へ移り、今後はそこを生活の本拠として独立して生活するのであれば、「転出」として扱うことが考えられます。

前のご質問の「出稼ぎ・寄宿」と比較すると分かりやすいです。

出稼ぎ・寄宿は、別の場所で生活していても「仮の独立生活」であり、仕事や就学などの目的が終了すれば元の世帯へ戻る予定があります。

これに対して転出は、基本的に従来の世帯から離れ、元の世帯へ戻ることを前提としない生活関係の変更と考えます。

したがって、判断するときは「団体・組織を離れたか」ではなく、①実際に居住地を離れるのか、②生活の本拠が変わるのか、③元の世帯との生計関係がどうなるのか、④元の世帯へ戻る予定があるのかなどを確認することが重要です。

簡単に言えば、**「所属先を辞める=転出」ではなく、「生活の本拠・世帯から離れる=転出を検討する」**と理解すると分かりやすいです。

(A2)結論

はい。生計を一にする世帯から離れ、他の土地に「新たな生計の本拠」を構えた場合は、「転出」として取り扱って差し支えありません。 厚生労働省の生活保護実施要領の取扱いでも、その旨が明確に示されています。

ポイントは、単に別の場所に住んでいるだけではなく、元の世帯とは別に、実質的な生活の本拠を新たに作ったかどうかです。

たとえば、就職を機に県外へ移り、そこに住居を構えて生活費も自分で賄い、元の世帯へ戻る予定もない場合は、通常「転出」として扱えます。これに対して、出稼ぎや寄宿のように、就労・就学のため一時的に別の場所で暮らし、目的が終われば元の世帯へ戻る予定であれば、「転出」ではなく、仮の独立生活として扱います。

したがって、判断の分かれ目は、

  • 新しい場所が実質的な生活の本拠になっているか
  • 元の世帯との生計関係が切れているか
  • 元の世帯へ戻る予定があるか
  • 別居の目的が一時的な就労・就学等にすぎないか

です。

要するに、「一時的に離れているだけ」なら出稼ぎ・寄宿、「新たな土地で独立した生活の本拠を構えた」なら転出と整理すると分かりやすいです。

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