(Q1)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療扶助(結核に係るものに限る)を受けていた要保護者が、居住地のない状態で転院した場合、公費負担の適用はどのようになりますか?(Q2)医療観察法に基づく公費負担による入院患者等が、局長通知により感染症の医療を受ける場合、どのような手続きや支援が必要ですか?

(A1)はい。この場合は、通常の「生活保護の医療扶助で入院している人が転院した場合」とは取扱いが異なります

厚生労働省の現行「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第2・問4(1)では、結核について感染症法による公費負担を受けているため、生活保護の医療扶助を受けていない、居住地のない要保護者が転院した場合について定めています。

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結論

この場合は、転院先の医療機関の所在地を管轄する福祉事務所が、生活保護の実施責任を負います。

つまり、

「転院前の福祉事務所がそのまま担当する」のではなく、転院先の病院所在地を管轄する福祉事務所に実施責任が移る

という取扱いです。

理由は、通常の医療扶助による転院で適用される局長通知第2の2(従前の実施機関が引き続き実施責任を負う取扱い)が、このケースには適用されないためです。局長通知第2の2は、生活保護の医療扶助を適用して区域外の指定医療機関へ医療を委託・委託替えした場合を対象としているからです。

具体例

たとえば、

A市の病院に入院

結核について感染症法による公費負担を受けている

生活保護の「医療扶助」は適用されていない

本人には帰る自宅などの「居住地」がない

B市の病院へ転院

というケースです。

この場合、転院後は、

B市の病院=本人の現在地
→ B市の病院所在地を管轄する福祉事務所が生活保護の実施責任を負う

ことになります。

ここで注意したいのは、結核の治療費そのものを生活保護がすべて負担する、という意味ではありません。 結核については感染症法による公費負担制度が優先して活用されます。生活保護の医療扶助運営要領でも、結核医療について公費負担制度を活用し、保健所と連携して申請・承認状況を確認するよう定められています。

一方、生活保護として必要となる入院患者日用品費などについては、転院先の医療機関所在地を管轄する福祉事務所が実施責任を負います。厚生労働省の課長通知も明確に「転院先の医療機関所在地の実施機関が、入院患者日用品費等の支給について実施責任を負う」としています。

したがって、一言で整理すると、

居住地のない結核患者が、感染症法の公費負担によって治療を受けており、生活保護の医療扶助を受けていない状態で転院した場合は、転院先の病院所在地が「現在地」となり、その地域の福祉事務所が入院患者日用品費等の生活保護について実施責任を負います。

なお、これは**「結核の公費負担そのものが転院先の福祉事務所に移る」という意味ではなく、生活保護法上の実施責任がどの福祉事務所にあるかという問題**です。この点を分けて考えると分かりやすいです。

(A2)はい。ご質問のケースは、医療観察法による公費負担で入院している人について、生活保護上どこの福祉事務所が支援を担当するかという「実施責任」の問題として整理すると分かりやすいです。

厚生労働省の課長通知「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第2・問4では、医療観察法に基づく公費負担による入院患者で、医療扶助の適用を受けておらず、かつ居住地がない人が転院した場合について定めています。この場合、局長通知第2の2の「従前の福祉事務所が引き続き担当する」という取扱いは適用されません。

そのため、転院先の医療機関の所在地を管轄する福祉事務所が、本人の現在地を基準として生活保護上の実施責任を負います。

たとえば、

A市の医療観察法指定入院医療機関に入院
→ 医療観察法によって医療費は公費負担
→ 本人には自宅などの「居住地」がない
B市の医療機関へ転院

という場合です。

このとき、B市の医療機関が本人の「現在地」となり、B市の病院所在地を管轄する福祉事務所が、入院患者日用品費など必要な生活扶助を担当することになります。厚生労働省通知でも、転院先の医療機関所在地の実施機関が「入院患者日用品費等の支給」について実施責任を負うとされています。

一方、医療観察法の対象となる医療費そのものについては、生活保護の医療扶助ではなく、原則として医療観察法の公費負担制度が優先されます。医療観察法による公費負担の範囲は、対象となる精神障害や、それと密接に関連する疾病等について、指定入院医療機関や連携医療機関等で行われる医療とされています。

つまり、制度を分けて考えることが大切です。

医療費
→ 医療観察法などの公費負担制度を優先

衣類・日用品・その他最低生活に必要な費用
→ 必要に応じて生活保護の生活扶助等で対応

という関係になります。

さらに、医療観察法による措置が終了して、その終了と同時に居住地のない被保護者が別の病院へ転院する場合には、その転院先の病院所在地を管轄する福祉事務所が実施責任を負うことも明記されています。

したがって、ご質問を簡潔にまとめると、

医療観察法の公費負担によって入院している居住地のない人が転院する場合、医療費についてはまず医療観察法などの公費負担制度を利用し、生活保護として必要な入院患者日用品費等については、原則として転院先の病院所在地を管轄する福祉事務所が担当します。

なお、「感染症の医療を受ける場合」についても基本的な考え方は同じで、感染症法など他法による公費負担を先に活用し、それで賄われない生活上の必要について生活保護が補完するという関係になります。感染症法の公費負担には、対象期間や対象となる医療の範囲が別途定められています。

必要であれば次に、**「医療観察法の公費負担でどこまで医療費が出るのか/生活保護の医療扶助はどこから必要になるのか」**を具体例で整理できます。

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