(Q3)医療観察法による措置が廃止され、居住地のないまま生活扶助(入院患者日用品費)を要する被保護者が転院した場合、どのような支援や公費負担が適用されますか?

(A3)この場合は、医療観察法による公費負担が終了した後、必要な医療や生活費について生活保護が適用されます。 特に重要なのは、本人に「居住地」がないまま別の病院へ転院した場合、転院先の病院所在地を管轄する福祉事務所が生活保護の実施責任を負うという点です。厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第2・問4(3)に、この取扱いが明記されています。

具体的には、次のように考えると分かりやすいです。

医療観察法による入院・公費負担

医療観察法による措置が廃止される

本人には帰る自宅などの「居住地」がない

引き続き入院が必要となり、別の病院へ転院

転院先の病院所在地が本人の「現在地」となる

その病院所在地を管轄する福祉事務所が生活保護を実施する

という流れです。

たとえば、A市にある医療観察法の指定入院医療機関に入院していた人について措置が廃止され、その人には自宅などの居住地がなく、その後B市の一般の精神科病院へ転院したとします。この場合は、原則としてB市の病院所在地を管轄する福祉事務所が新たに実施責任を負います。

そして、その人が生活保護を必要とする場合には、入院中の生活費として**生活扶助の「入院患者日用品費」**が支給対象になります。入院患者日用品費は、衣類、洗面用品、身の回り品など、入院生活に必要となる日常的な費用を賄うための生活扶助です。厚生労働省の実施要領では、原則として所定の基準額を計上することとされています。

また、医療観察法による措置が廃止されたため、その後の治療について医療観察法の公費負担が使えなくなり、本人に医療費を負担する能力がない場合には、要件を満たせば生活保護の医療扶助によって必要な治療を受けることになります。医療扶助は、指定医療機関で必要な診療を現物給付する仕組みです。

つまり、「措置廃止になったから医療費も生活費も本人が突然自己負担しなければならない」ということではありません。医療観察法の公費負担から、必要に応じて生活保護の生活扶助・医療扶助へ制度が切り替わるという考え方になります。

一言で整理すると、

医療観察法の措置が廃止され、居住地のない被保護者が別の病院へ転院した場合は、転院先病院の所在地を管轄する福祉事務所が実施責任を負い、入院患者日用品費などの生活扶助を支給します。さらに、医療観察法による公費負担がなくなった後の必要な医療については、要件を満たせば医療扶助で対応します。

という取扱いです。

なお、このケースでは**「以前担当していた福祉事務所がそのまま担当する」とは限らないところがポイントです。居住地がないため、生活保護法上の「現在地」である転院先の病院所在地**を基準に実施責任が決まります。

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