(Q1)行政書士が申請同行をした場合、具体的にどのようなことをするのですか?(Q2)1回の申請同行には、どれくらいの時間がかかりますか?
(A1)行政書士が生活保護の「申請同行」をする場合は、簡単にいうと、申請者と一緒に福祉事務所へ行き、申請手続が円滑に進むよう書類面・説明面を支援することが中心になります。
生活保護の申請そのものは本人が行うのが基本ですが、行政書士は、行政書士法上、官公署に提出する書類の作成や、その内容についての相談、一定の提出手続の代理を業務としています。ただし、他の法律で弁護士等に限定される業務まではできません。
具体的には、まず申請前に、本人から家族構成、収入、預貯金、家賃、病気や就労状況、生活に困った経緯などを聴き取り、生活保護申請書や事情説明書などを作成する支援が考えられます。生活保護の申請では、氏名・住所、保護を必要とする理由、収入・資産の状況などを記載した申請書が原則必要です。
そのうえで福祉事務所へ同行し、本人が緊張して十分に説明できない場合などに、**「この方は現在このような状況です」「所持金はこれくらいです」「家賃を滞納しています」「病気のため現在就労できません」**といった事実関係の整理を補助することがあります。
また、窓口で「まず親族に相談してください」「書類を全部そろえてから来てください」などと言われた場合には、制度上の取扱いを確認しながら、本人には生活保護を申請する意思があることを明確に伝える支援も考えられます。厚生労働省も、必要書類がそろっていなくても申請でき、扶養義務者に先に相談することが申請条件ではないと案内しています。
さらに、申請書の控えを確保したり、申請日、担当者、福祉事務所から説明された内容などを記録しておくことも、実務上は重要です。
ただし、行政書士が同行したからといって、行政書士が生活保護の開始・却下を決定できるわけではありません。 申請後は福祉事務所が家庭訪問、資産調査、収入調査、就労可能性の調査などを行い、保護の要否を判断します。
また、注意が必要なのは、福祉事務所との間で法的紛争になった場合です。たとえば、却下処分に対して争う、法的な権利義務について相手方と交渉する、訴訟対応を行う、といった業務は、行政書士が一般的に何でもできるわけではありません。内容によっては弁護士の業務領域になります。厚労省の生活困窮者支援資料でも、申請拒否・申請回避への対応を目的とした「生活保護同行申請」については、弁護士・法テラスによる支援制度が紹介されています。
要するに、行政書士の申請同行とは、「本人の代わりに生活保護を認めさせる」ものではなく、申請書類を整え、本人の状況や申請意思を正確に福祉事務所へ伝え、申請手続が適切に進むよう横で支援するものと考えると分かりやすいです。
特に重要なのは、福祉事務所は、本人が申請意思を表明している場合には、申請が速やかに行われるよう必要な援助をしなければならないと生活保護法施行規則で定められている点です。
(A2)生活保護の申請同行にかかる時間は、ケースによってかなり違いますが、1回あたりおおむね1~3時間程度を見ておくことが多いです。
比較的スムーズな場合は、福祉事務所での受付、申請意思の確認、簡単な聞き取り、申請書提出までで1時間前後で終わることがあります。一方で、生活状況、収入、資産、病気、家賃滞納、家族関係などの聞き取りが多い場合や、窓口が混雑している場合は、2~3時間程度かかることもあります。
また、同行前に行政書士が行う事前面談や書類確認まで含めると、さらに時間が必要です。たとえば、事前面談に1時間、福祉事務所での同行に1~2時間という形になることもあります。
特に、所持金がほとんどない、住居を失う可能性がある、入院中、DVや家族問題があるなど、事情が複雑なケースでは、申請当日の説明や確認事項が増えるため、長めに見ておいた方がよいです。
要するに、福祉事務所での申請同行だけなら1~3時間程度、事前相談や書類作成まで含めると合計2~4時間程度になることもあると考えると分かりやすいです。これは法令で決まった時間ではなく、あくまで実務上の目安です。
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