(Q)野菜の収入認定に際し、必要経費率を用いて算定する場合、肥料代などの必要経費は、個々の生産物ごとに算定すべきでしょうか。それとも、収穫量を基に総収穫高に平均必要経費率を乗じて算定すべきでしょうか。

(A)はい。この質問は、生活保護における農業収入、特に野菜の「生産必要経費」をどう計算するかという問題です。

結論からいうと、肥料代・種苗代・薬剤費について必要経費率を使う場合は、基本的に福祉事務所が客観的資料に基づいて定めた必要経費率を、収穫高に乗じて算定する取扱いです。厚生労働省の局長通知では、肥料代・種苗代・薬剤費について、農林水産省の調査に準拠して福祉事務所ごとに比率を定め、「その他の農作物」は20%という基準が示されています。

つまり、質問を簡単に言い換えると、

「トマト、きゅうり、白菜など複数の野菜を作っている場合、肥料代などを野菜一種類ずつ細かく計算する必要があるのか、それとも野菜全体の収穫高を計算して、それに必要経費率を掛ければよいのか?」

ということです。

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基本的な計算方法

野菜の農業収入については、厚労省通知で、

販売価格 × 売却量 + 自家消費した野菜の金銭換算額 − 必要経費 = 農業収入

という計算方法が示されています。

そして、肥料代・種苗代・薬剤費を必要経費率によって認定する場合には、収穫高を基礎として必要経費を算定するのが基本です。

例えば、野菜の収穫高が合計50万円で、適用する必要経費率が20%だったとすると、

50万円 × 20% = 10万円

となり、10万円を肥料代・種苗代・薬剤費に係る生産必要経費として認定する、という考え方になります。

したがって、実際に使用した肥料を「トマト分○円、きゅうり分○円、白菜分○円」と一つ一つ完全に区分できない場合でも、必要経費率を採用しているのであれば、必ずしも個々の作物ごとの実費を細かく算定する必要はありません。

ただし、地域や作物によって実態が大きく異なる場合には注意が必要です。厚労省の課長通知でも、肥料費・種苗代・薬剤費については、福祉事務所ごとに客観的資料に基づいて設定した必要経費率を使うのが原則ですが、それよりも「正確かつ便宜な方法」がある場合には、必ずしも率によらなくてもよいとされています。

つまり、「何が何でも20%」という制度ではありません。 福祉事務所が地域の実情に応じて適切な率を設定することが前提です。

また、肥料代・種苗代・薬剤費以外の必要経費については、原則として実費認定です。ただし、地域ごとに正確かつ妥当な率を設定できる場合には、率によることも認められています。

したがって、一言でまとめると、**「野菜の肥料代・種苗代・薬剤費を必要経費率で算定する場合には、個々の野菜について実際に使った肥料代等を一つずつ算定するというより、福祉事務所が客観的資料に基づいて定めた必要経費率を収穫高に乗じて生産必要経費を算定するのが基本。ただし、より正確で合理的な算定方法がある場合には、その方法を用いることもできる」**と理解すると分かりやすいです。

厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」
厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」

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