(Q1)居宅生活ができると認められる者の判断方法はどのように定められていますか?(Q2)第7の78号局長通知第7の4の(1)における「居宅生活ができると認められる者」とは、どのような基準で判断されますか?
(A1)「居宅生活ができると認められる者」とは、簡単にいうと、施設や病院ではなく、自宅・アパートなどで生活することが可能と判断された人のことです。
生活保護の実務では、単に本人が「一人暮らしをしたい」と希望しているだけで決めるのではなく、本人の身体・精神の状態や日常生活能力、利用できる支援などを総合的に確認して判断することになります。
分かりやすく言い換えると、
「この人は、病院や施設ではなく、アパートなどで生活していける状態なのかを、福祉事務所は何を見て判断するのでしょうか?」
という質問です。
判断するときには、例えば、食事、着替え、入浴、排せつ、掃除、買物、金銭管理、服薬管理などの日常生活をどの程度自分で行えるかが確認されます。
ただし、重要なのは、「すべて一人でできなければ居宅生活は無理」という意味ではないことです。
本人だけでは難しいことがあっても、訪問介護、障害福祉サービス、訪問看護、地域の支援者、親族などの援助を利用することによって居宅生活を維持できるのであれば、それらの支援を利用することを前提として居宅生活が可能と判断される場合があります。
また、入院中の人であれば、福祉事務所だけで判断するのではなく、必要に応じて主治医の意見、病院の医療ソーシャルワーカー、福祉・介護関係者などの意見も確認し、退院後の生活が現実的に成り立つかを検討します。
例えば、Aさんは一人では買物や掃除が難しいものの、訪問介護を週数回利用し、訪問看護による服薬管理も受ければアパートで生活できるとします。この場合、「一人では完全に生活できない」という理由だけで居宅生活不可とするのではなく、利用可能なサービスを含めて判断することになります。
逆に、常時の医療的管理が必要であったり、利用できる支援を組み合わせても日常生活を維持することが著しく困難だったりする場合には、施設入所や入院継続などが検討されることになります。
したがって、一言でまとめると、**「居宅生活ができるかどうかは、本人の身体・精神状態や日常生活能力だけでなく、介護・障害福祉・医療などの在宅サービスを利用した場合も含めて、実際に地域で生活を維持できるかを総合的に判断する」**ということです。
なお、この質問が**「生活保護の敷金等の支給における『居宅生活ができると認められる者』」**を指しているのであれば、実施要領の該当通知・問答に絞って、判断項目(3つの要件など)を原文に沿って整理することもできます。
(A2)はい。ご質問は、正確には**課長通知の問(第7の78)**で示されている、局長通知第7の4の(1)のキの「居宅生活ができると認められる者」の判断方法についてです。
簡単に言い換えると、
「住居のない人が生活保護を申請したとき、福祉事務所は、その人が施設ではなくアパート等で生活できる人かどうかを、何を基準に判断するのでしょうか?」
という質問です。
判断する主なポイント
厚生労働省の問(第7の78)では、居宅生活をするために必要となる基本的な事項を確認します。具体的には、生活費などの金銭管理、服薬などの健康管理、炊事・洗濯などの日常生活、人とのコミュニケーションなどを、自分の能力で行えるかを確認します。
ここで非常に重要なのは、「全部一人でできなければ居宅生活不可」という基準ではないことです。
本人だけではできないことがあっても、利用可能な介護サービス、障害福祉サービス、訪問看護、相談支援などの社会資源を活用すれば居宅生活が可能かというところまで含めて判断することになっています。
例えば、Aさんが一人では服薬管理が難しく、掃除や調理にも援助が必要だとしても、訪問看護による服薬管理やホームヘルパーによる家事援助などを利用することで生活を維持できるのであれば、それだけで「居宅生活はできない」と判断するものではありません。
福祉事務所だけで機械的に判断するものでもありません
必要に応じて、関係部局や保健所などの関係機関から意見を聴取し、そのうえでケース診断会議等において総合的に判断することとされています。
さらに、判断材料を集める際には、本人や扶養義務者等から、
生活歴・過去の居住歴・現在の生活状況
などを聴取し、できるだけ情報を集めたうえで慎重に判断することも示されています。
したがって、判断のイメージは、
本人だけで生活できるか
↓
難しい部分がある場合、福祉・介護・医療等の支援を利用すればできるか
↓
生活歴・居住歴・現在の生活状況なども確認
↓
必要に応じて関係機関の意見を聴取
↓
ケース診断会議等で総合的に判断
となります。
そして、この判断が重要なのは、局長通知第7の4の(1)のキでは、保護開始時に安定した住居のない要保護者が住宅を確保する際の敷金等の支給について、「居宅生活ができると認められる者」であることが前提になっているためです。さらに問(第7の77)では、敷金等の必要性について、居宅生活が可能であることのほか、公営住宅等を確保できないこと、他制度等で敷金を賄えないこと、同じ住居に概ね6か月を超えて居住する見込みがあることなどを総合的に判断するとされています。
一言でまとめると、「金銭管理・健康管理・家事・コミュニケーションなどを確認し、本人一人では難しくても、利用できる福祉・介護・医療等の支援を組み合わせればアパート等で生活を維持できるかを検討し、関係機関の意見も踏まえてケース診断会議等で総合的・慎重に判断する」という基準です。
厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」
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