(Q1)恵与金等が直ちに自立更生の用途にあてられない場合、社会福祉協議会等の団体に預託することは認められていますが、将来の自立更生計画として、どのくらいの期間まで預託を認めてよいのでしょうか?(Q2)自立更生計画を立てる際、どの程度まで具体的な計画である必要がありますか?また、計画の完了までの期間はどのくらいが適当とされていますか?

(A1)はい。この質問は、生活保護受給者が受け取った恵与金(贈与されたお金)を、すぐに自立更生のために使わず、社会福祉協議会などに預けておく場合、何年間まで認められるのかという質問です。

① 結論

恵与金等を社会福祉協議会などに預託する期間について、一律に「何年以内」という期限が定められているわけではありません。

ただし、無期限に預託できるという意味ではありません。

将来の自立更生計画が具体的であり、その目的を達成するために必要と認められる期間に限って、預託を認めることが基本となります。

② どのような場合に預託できますか?

例えば、生活保護を受けているAさんが、親族から自立更生のために50万円を贈与されたとします。

Aさんは、将来の就職に必要な資格を取得するため、この50万円を使う予定ですが、資格取得講座の開始が1年後であるため、すぐには使用できません。

この場合、福祉事務所が自立更生のための費用として必要と認めれば、社会福祉協議会などに預託しておくことが考えられます。

③ 預託期間はどのように判断しますか?

預託期間については、主に次のような点を確認します。

  1. 自立更生の目的が明確であること
    資格取得、就職準備、生業の開始など、何のために使うのかが具体的であること。
  2. 使用する時期が見込まれていること
    いつ頃必要になるお金なのか、合理的な見通しがあること。
  3. 預託期間に合理的な理由があること
    例えば、資格取得講座の開始を待つなど、すぐに使用できない事情があること。
  4. 福祉事務所が必要性を確認できること
    計画の進捗状況や預託金の管理状況を確認できること。

④ 具体例

自立更生の目的使用予定時期預託の考え方
就職に必要な資格取得6か月後必要性が認められれば預託可能
就職に必要な機器の購入1年後計画が具体的なら預託可能
子どもの進学費用2年後進学予定や必要額などを確認して判断
将来のための貯金時期未定原則として認められにくい

※上記の期間は説明のための例であり、制度上の上限を示したものではありません。

⑤ 注意点

「社会福祉協議会に預けているから、必ず収入認定されない」というわけではありません。

預託する金銭自体が、収入認定から除外できる恵与金等に該当することが前提です。

また、預託した後も、自立更生の目的が失われたり、計画の実現が見込めなくなったりした場合には、収入認定の取扱いを再検討する必要があります。

⑥ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

自立更生のために使用する恵与金等を社会福祉協議会などに預託する場合、一律の預託期間は定められていません。将来の自立更生計画の内容、使用予定時期、必要性などを確認し、目的達成に必要と認められる期間について預託を認めることになります。

つまり、何年間まで預けられるかではなく、いつ、何のために使うお金なのかが重要ということです。

(A2)はい。この質問は、生活保護受給者が恵与金や保険金などを将来の自立更生のために使う場合、どの程度具体的な計画が必要で、何年以内に実行しなければならないのかという質問です。

① 自立更生計画は、どの程度具体的である必要がありますか?

自立更生の目的、必要な金額、使用する時期などが明確で、実現可能な計画であることが必要です。

例えば、次のような違いがあります。

計画の内容判断の目安
将来のために貯金したい目的が漠然としており、認められにくい
いつか仕事を始めたい時期や必要額が不明確
1年後に資格を取得するため、受講料20万円を準備する目的・時期・金額が具体的
2年後の子どもの進学に備え、入学費用30万円を準備する必要性や金額が確認できれば認められる余地がある

ただし、計画の細部まで確定している必要はありません。

将来の事情によって多少変更する可能性があっても、合理的な見通しがあれば、計画として検討できます。

② 計画完了までの期間は、どのくらいが適当ですか?

原則として、おおむね5年以内に自立更生計画が完了することが適当とされています。

これは、恵与金等を直ちに使用できず、社会福祉協議会などに預託する場合の取扱いに関係するものです。

ただし、5年という期間は絶対的な上限ではなく、個別の事情を踏まえて判断されます。

③ 具体例

例えば、生活保護を受けているAさんが、親族から資格取得費用として50万円を贈与されたとします。

Aさんは、現在は子育て中ですが、3年後に資格取得講座を受講し、就職する計画を立てています。

この場合、

  • 目的:就職に必要な資格の取得
  • 必要額:50万円
  • 使用予定:3年後
  • 完了予定:4年後

という計画であれば、具体性があり、おおむね5年以内に完了する見通しがあるため、認められる可能性があります。

一方、「10年後くらいに何か仕事を始めたい」という計画では、目的や実現可能性が不明確なため、認められにくくなります。

④ 福祉事務所が確認するポイント

実務上は、主に次の点を確認します。

  1. 自立更生の目的が具体的であるか。
  2. 必要な費用が合理的に算定されているか。
  3. 実施時期や完了予定時期が見込まれているか。
  4. 計画が実現可能であるか。
  5. 原則として、おおむね5年以内に完了する見通しがあるか。

なお、5年以内の計画であれば必ず収入認定から除外できるわけではありません。恵与金等の性質や使途についても、別途要件を満たす必要があります。

⑤ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

自立更生計画は、目的・必要額・使用時期などが明確で、実現可能な内容であることが必要です。また、計画の完了までの期間は、原則としておおむね5年以内が適当とされています。

つまり、「何のために、いくら必要で、いつまでに実行するのか」が説明できる計画であることが重要です。

⇓

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所