(Q1)農業保険法による共済金について、一般の農業収入と同様に必要経費を控除することはできますか?(Q2)農業保険法による共済金のうち、農作物や蚕繭にかかるものは、どのように農業収入として扱われますか?
(A1)はい。この質問は、農作物が災害などの被害を受けて「農業保険法による共済金」を受け取った場合、その共済金を丸ごと収入認定するのか、それとも通常の農業収入と同じように必要経費を差し引けるのか、という質問です。
結論
一定の共済金については、一般の農業収入と同じように扱い、必要経費を認定して差し支えありません。
厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」では、農業保険法による共済金のうち、対象となる農作物等に係るものについては、「その共済目的から得られた農業収入」とみなして、認定額の月割りと必要経費の認定を行って差し支えないとされています。
たとえば、農家である生活保護受給者が、通常であれば農作物を販売して農業収入を得るところ、台風などによって農作物に被害が発生し、代わりに農業保険の共済金30万円を受け取ったとします。
この30万円について、
「共済金だから30万円全額をその月の収入として認定する」
という扱いをするのではなく、対象となる共済金であれば、通常の農業収入と同じように考えます。
農業収入の必要経費としては、たとえば小作料、農業保険法による掛金、雇人費、農機具の修理費、少額農具の購入費、水利組合費、肥料代、種苗代、薬剤費などの実際に必要な額を認定することとされています。
さらに、農業収入は収穫時期などにまとまって入る性質があるため、対象となる共済金についても、必要経費を認定したうえで、認定額を月割りして扱うことができます。
したがって、この質問を一番簡単にまとめると、
農作物等の損害に対して支払われる農業保険法上の共済金は、通常の農業収入の代わりとなる性質があるため、一般の農業収入とみなして、必要経費を認定し、さらに認定額を月割りして収入認定することができます。
ということです。
なお、「共済金なら種類を問わずすべて同じ扱いになる」という意味ではありません。 共済の対象が何なのかによって取扱いを確認する必要があります。厚生労働省の実施要領では、この点を明示して取り扱っています。
厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」
(A2)はい。この質問は、前のご質問をさらに具体的にしたもので、農業保険法による共済金のうち、「農作物」や「蚕繭(さんけん)」の被害について支払われた共済金を、生活保護の収入認定でどう扱うのかという質問です。
結論
農作物や蚕繭に係る共済金については、基本的に、その共済金を「その農作物・蚕繭から得られた農業収入」とみなして取り扱います。
つまり、災害などがなければ、米や麦、蚕繭などを収穫・販売して農業収入を得るはずだったところ、災害等によって収穫できず、その代わりとして共済金が支払われた、と考えるわけです。
そのため、
「共済金だから臨時収入として全額を一度に認定する」
という扱いではなく、通常の農業収入に準じて収入認定するのがポイントです。
具体的には、共済金をその共済目的である農作物・蚕繭から得られた農業収入とみなし、そこから認められる農業上の必要経費を控除したうえで、農業収入の認定方法に従って扱います。
例えば、稲作をしているAさんが台風による被害を受け、本来得られるはずだった米の販売収入の代わりに農業保険法による共済金を受け取ったとします。
この場合、
共済金 → 単なる臨時収入
と考えるのではなく、
共済金 → 米から得られた農業収入とみなす → 必要経費を認定する → 農業収入として所定の方法で認定する
という流れになります。
また、農業収入は収穫期などにまとまって入るという特殊性があります。そのため、この共済金についても、通常の農業収入と同様に、必要経費を認定した後の額について月割りによる収入認定を行うことができるという取扱いになります。
したがって、この質問を一言でまとめると、
農業保険法による共済金のうち、農作物や蚕繭に係るものは、その共済金を「その農作物・蚕繭から得られた農業収入」とみなし、通常の農業収入と同じように必要経費を認定し、月割り等の方法で収入認定する。
ということです。
なお、これは農業保険法によるすべての共済金を一律に農業収入として扱うという意味ではなく、何を共済目的とした共済金なのかによって取扱いが異なる点に注意が必要です。
⇓