(Q1)生活福祉資金の福祉資金の貸付限度額に相当する経費について、全て福祉費の貸付限度額を上限として認定してよいのでしょうか?(Q2)生活福祉資金制度において、資金の目的ごとに定められる「貸付上限額の目安」は、認定の際の上限として必ず適用しなければならないのでしょうか?

(A1)はい。この質問は、生活保護制度において、生活福祉資金の「福祉費」の貸付限度額を参考にして経費を認定する場合、どのような経費でも、その貸付限度額いっぱいまで認めてよいのかという質問です。

① 結論

いいえ。すべての経費について、福祉費の貸付限度額を上限として認定してよいわけではありません。

生活福祉資金の福祉費には、さまざまな貸付対象経費があります。

しかし、生活保護で必要経費を認定する場合には、経費の種類や目的、必要性などを確認し、それぞれに適用される基準に従って判断する必要があります。

つまり、福祉費の貸付限度額が、そのまま生活保護上のすべての経費の認定上限になるわけではありません。

② 具体例で説明します

例えば、生活福祉資金の福祉費には、次のような目的の貸付があります。

  1. 生業を営むために必要な経費
  2. 技能習得に必要な経費
  3. 住宅の増改築や補修に必要な経費
  4. 福祉用具等の購入に必要な経費
  5. 障害者用自動車の購入に必要な経費

これらは、いずれも福祉費の貸付対象となり得るものですが、生活保護制度では、それぞれの経費について認定の根拠や条件が異なります。

例えば、生業扶助として技能習得費を認定する場合には、生活保護の技能習得費に関する基準を確認する必要があります。

福祉費で一定額まで借りられるからといって、生活保護でも当然に同じ金額まで支給できるわけではありません。

③ 貸付限度額と必要経費の認定額は違います

ここが重要です。

貸付限度額とは、生活福祉資金制度において、一定の目的のために貸し付けることができる金額の上限です。

一方、生活保護の必要経費の認定額とは、生活保護の基準や実施要領に従い、実際に必要と認められる金額です。

したがって、両者は必ずしも一致しません。

また、貸付限度額を参考にできる経費であっても、実際に必要な金額が限度額より少なければ、必要な範囲で認定することになります。

④ 実務上の注意点

福祉事務所が必要経費を認定する際には、次の点を確認することが重要です。

  • その経費が生活保護上、認定対象となるものか。
  • 経費の目的や必要性が認められるか。
  • 生活保護の実施要領に個別の基準や上限が設けられていないか。
  • 実際に必要な金額はいくらか。
  • 生活福祉資金の貸付限度額を準用できる根拠があるか。

特に、生活福祉資金の貸付対象であることと、生活保護で経費として認められることは別の問題です。

⑤ まとめ

この質問を一番簡単にまとめると、

生活福祉資金の福祉費の貸付限度額は、生活保護の必要経費を認定する際に参考となる場合がありますが、すべての経費について、その限度額まで認定してよいわけではありません。経費の種類や必要性、生活保護の個別基準に従って判断する必要があります。

ということです。

なお、今回の「必要経費」が、農業・事業収入から控除する必要経費を指すのか、生業扶助で支給する経費を指すのかによって、適用する通知や判断基準が異なります。今回のご質問は直前までの農業収入の話に続いていますので、特にこの区別が重要です。

(A2)はい。この質問は、生活福祉資金制度で資金の目的ごとに設定されている「貸付上限額の目安」を、生活保護の経費認定でも必ず上限として使わなければならないのかという質問です。

① 結論

いいえ。「貸付上限額の目安」が、必ずしも生活保護の経費認定における絶対的な上限になるわけではありません。

ただし、生活保護の通知などで、その金額を認定上限として明確に定めている場合には、その規定に従う必要があります。

② 「貸付上限額」と「貸付上限額の目安」の違い

ここが重要です。

貸付上限額とは、制度上、貸し付けることができる金額の上限です。

一方、貸付上限額の目安とは、資金の目的や用途ごとに示されている、貸付金額を判断するための参考となる金額です。

そのため、目安として示された金額を、すべてのケースで機械的に適用するとは限りません。

③ 具体例で説明します

例えば、ある資金の目的について、貸付上限額の目安が50万円と設定されているとします。

実際に必要な経費が40万円であれば、必要性を確認したうえで40万円を基礎として判断します。

一方、必要な経費が60万円であった場合には、目安が50万円だから必ず50万円までしか認められない、と直ちに判断するのではありません。

その資金について定められた正式な貸付限度額や、個別の取扱規定を確認する必要があります。

ただし、生活保護の認定については、別途、生活保護上の支給要件や上限額を確認しなければなりません。

④ 実務上の注意点

福祉事務所が経費を認定する場合には、次の点が重要です。

  1. 生活福祉資金の正式な貸付限度額はいくらか。
  2. 目的別の金額は、法令・通知上の上限なのか、単なる目安なのか。
  3. 生活保護の実施要領で、その金額を準用する規定があるか。
  4. 実際に必要な経費はいくらか。
  5. 個別事情によって別の取扱いが認められるか。

「目安」と記載されているから無制限に認定できるわけでもなく、「目安を超えているから必ず認められない」というわけでもありません。

⑤ まとめ

今回の質問を一言でまとめると、

生活福祉資金制度における目的別の「貸付上限額の目安」は、原則として貸付額を判断するための参考基準です。その金額が生活保護の経費認定における絶対的な上限になるとは限らず、実際の必要性や適用される通知・基準に従って判断します。

ということです。

なお、生活福祉資金の貸付審査の話なのか、生活保護の収入認定における必要経費の話なのかによって結論が変わる場合があります。特に、通知に「貸付限度額の範囲内」と明記されている場合には、単なる目安とは区別して判断する必要があります。

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