(Q1)扶養義務者からの援助金は、どのような場合に恵与される金銭として取り扱うことができますか?例:扶養義務者が期待すべき扶養の程度を超えて援助を行った場合、その金銭は恵与金として扱われますか?(Q2)毎月2万円の仕送りをしている扶養義務者が、臨時収入を得て、被保護者の子どもの修学旅行費用を含めて5万円の仕送りをした場合、どのように収入認定されますか?例:毎月の仕送り分2万円は収入として認定し、追加の3万円は修学旅行費用として自立計画に組み入れることができますか?
(A1)はい。この質問は、生活保護を受けている人が、親や兄弟姉妹などの扶養義務者から金銭的な援助を受けた場合、その援助金を「恵与金(贈与されたお金)」として取り扱うことができるのかという質問です。
① 結論
扶養義務者からの援助金であっても、一定の条件を満たせば「自立更生を目的として恵与された金銭」として取り扱うことができます。
厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第8・問41では、次の2つの条件が示されています。
- 扶養義務者に期待される扶養の程度を超えた援助であること。
- 生活保護世帯の自立更生に充てる目的が明示されていること。
この2つを満たす場合に限り、自立更生を目的とした恵与金として取り扱うことが認められています。
② 「期待すべき扶養の程度を超える」とは?
簡単にいうと、親族が通常行っている生活費の援助とは別に、特別な目的のために追加で援助することです。
例えば、生活保護を受けているAさんに対して、母親が毎月20,000円を仕送りしているとします。
ある月、母親が臨時収入を得たため、Aさんの子どもの修学旅行費用として30,000円を追加し、合計50,000円を渡しました。
この場合、次のように取り扱うことが考えられます。
| 援助の内容 | 金額 | 取扱い |
|---|---|---|
| 通常の生活費の仕送り | 20,000円 | 原則として収入認定する |
| 修学旅行費用として追加した援助 | 30,000円 | 自立更生を目的とする恵与金として取り扱う余地がある |
| 合計 | 50,000円 | 目的に応じて区分して判断する |
この例は、生活保護の問答集でも示されている取扱いです。
③ 扶養の程度を超えていれば、必ず収入認定されないのですか?
いいえ。扶養の程度を超えているだけでは不十分です。
重要なのは、追加の援助金について、自立更生のために使用する目的が明確になっていることです。
例えば、親族から50,000円を受け取った場合でも、次のように判断が異なります。
【収入認定される可能性が高い場合】
「生活費の足しにしてください」と言われて50,000円を受け取った場合。
この場合は、通常の生活費に充てる援助と考えられるため、原則として収入認定の対象になります。
【収入認定から除外できる可能性がある場合】
「子どもの修学旅行に必要な費用として使ってください」と目的を明示され、50,000円を受け取った場合。
この場合は、通常期待される扶養の程度を超える援助であり、自立更生に必要な費用として認められれば、その必要額について収入認定から除外できる可能性があります。
ただし、目的が明示されていても、全額が自動的に除外されるわけではありません。
④ 福祉事務所では何を確認するのですか?
実務上は、主に次の事項を確認することになります。
- 誰から援助を受けたのか。
- 通常の仕送りとは別の援助なのか。
- 何の目的で渡されたお金なのか。
- 自立更生のために必要な費用なのか。
- 実際にその目的に使用されるのか。
援助を受けた場合は、収入申告を行い、援助の目的や使途について福祉事務所に説明することが重要です。
⑤ まとめ
今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。
扶養義務者からの援助金は、原則として収入認定の対象になります。しかし、その援助が通常期待される扶養の程度を超え、生活保護世帯の自立更生に充てることを明示して行われた場合には、「自立更生を目的として恵与された金銭」として取り扱うことができます。
ただし、恵与金に該当することと、援助金の全額を収入認定から除外できることは別の問題です。実際に自立更生に充てられる必要額などを確認して判断します。
根拠通知
厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和38年4月1日社保第34号)第8・問41
(A2)はい。ご質問のケースでは、毎月の仕送り2万円は収入として認定し、追加の3万円については、修学旅行費用として収入認定から除外する取扱いが認められます。
これは、生活保護の「扶養義務者からの恵与金」に関する具体的な事例です。
① 結論
生活保護問答集の**問8-46「扶養義務者からの恵与金」**では、ご質問と同じ事例が取り上げられています。
その回答は、通常の仕送り2万円を収入認定し、追加の3万円を修学旅行費用として取り扱って差し支えないというものです。
② 具体的な取扱い
生活保護を受けているAさんに、親族が毎月2万円を仕送りしているとします。
ある月、その親族に臨時収入があり、Aさんの子どもの修学旅行費用として3万円を追加し、合計5万円を仕送りしました。
この場合は、次のように取り扱います。
| 援助金の内容 | 金額 | 生活保護上の取扱い |
|---|---|---|
| 毎月の通常の仕送り | 20,000円 | 収入として認定する |
| 修学旅行費用として追加された援助 | 30,000円 | 自立更生のための恵与金として取り扱うことができる |
| 仕送りの合計 | 50,000円 | 原則2万円を収入認定し、3万円は条件を満たせば除外できる |
つまり、5万円すべてを収入認定する必要はありません。
③ なぜ追加の3万円は収入認定から除外できるのですか?
理由は、次の2つの条件を満たすためです。
- 通常期待される扶養の程度を超えた援助であること。
毎月の仕送りは2万円ですが、今回は修学旅行のために追加で3万円が援助されています。 - 自立更生のために使うことが明確であること。
追加の3万円は日常生活費ではなく、子どもの修学旅行費用として渡されています。
厚生労働省の課長通知第8・問41でも、このような条件を満たす援助は、自立更生を目的とした恵与金として取り扱えるとされています。
④ 自立更生計画は必要ですか?
ご質問にある「追加の3万円を修学旅行費用として自立計画に組み入れる」という考え方は、問答集の事例に沿っています。
ただし、現在の課長通知第8・問40では、自立更生計画の策定を必須とはしていません。
そのため、実務上は、修学旅行の必要額や援助の目的を確認し、収入認定から除外できる金額を判断することになります。
⑤ 注意点
追加の3万円が必ず全額除外されるわけではありません。
例えば、修学旅行に必要な費用が2万5,000円だった場合、残りの5,000円については、別途収入認定の要否を判断する必要があります。
また、追加援助を受けた事実は福祉事務所に申告し、修学旅行費用として渡されたことが分かるようにしておくことが大切です。
⑥ まとめ
今回の質問の答えは、次のとおりです。
毎月2万円の仕送りをしている扶養義務者が、臨時収入を得て、子どもの修学旅行費用3万円を加えた5万円を仕送りした場合、通常の仕送り2万円は収入として認定する。
一方、追加の3万円については、通常期待される扶養の程度を超えた援助であり、自立更生のための恵与金として、修学旅行に必要な費用の範囲で収入認定から除外することができる。
根拠資料
- 生活保護問答集・問8-46「扶養義務者からの恵与金」
- 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第8・問40、問41
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