(Q)夫は5年前に家を出て不倫相手と暮らしていましたが、その後亡くなりました。不倫相手から、夫が作った遺言書を見せられ、「夫の財産はすべて自分がもらう」と書いてあると言われました。中には、私が住んでいる家も含まれています。夫が別居後に作ったこの遺言書は、本当に有効なのでしょうか?

(A)ご主人が別居後に作成した遺言書であっても、遺言書が法律で定められた方式に従って作られていれば、原則として有効とされます。
しかし、次のような場合には、遺言の有効性に疑問が生じることがあります。

■遺言内容に問題がある場合

  • 遺留分(一定の相続人が最低限受け取れる取り分)を侵害している場合
     →配偶者であるあなたには遺留分が認められていますので、侵害されている場合は「遺留分侵害額請求」が可能です。

■遺言の作成状況に問題がある場合

  • ご主人が判断能力が不十分だった可能性がある
  • 不倫相手が**無理に書かせた(強迫・詐欺・支配)**疑いがある
     →これらの場合、遺言の「無効」を主張できる可能性があります。

■まず確認すべきポイント

  1. 遺言書の形式(自筆、公正証書など)
  2. 作成日と内容の明確さ
  3. 作成時のご主人の健康状態や精神状況
  4. 遺言書の保管状況
     (法務局保管、自筆なら検認手続きの有無)

■あなたが取れる主な対応策

  • 遺言書の方式に不備がないかの確認
  • 遺留分侵害額請求の検討
     (原則、相続開始から1年以内
  • 必要に応じて、弁護士へ依頼し無効主張を検討

■まとめ

・別居していても遺言は原則有効
・しかし、配偶者の遺留分は侵害できない
・作成過程に問題がある場合は無効の可能性あり

あなたの権利が全くないわけではありませんので、
遺言書の内容・方式・状況の精査を進め、早めに相談されることをお勧めします。