(Q)私はアメリカ国籍ですが、日本に長く住んでいて日本にも財産があります。将来に備えて遺言書を作りたい場合、どの国の法律に従って作成するのが良いのでしょうか?また、日本とアメリカの両方に財産がある場合は、どのように対応すべきでしょうか?
(A)アメリカ国籍をお持ちで、日本にも長く居住し、両国に財産がある場合の遺言書の作成についてご説明いたします。
■どの国の法律に従うべきか
「遺言書がどの国の法律に従うか」は、
大きく以下のポイントで判断されます。
- 遺言者の本国法(国籍国:アメリカの法律)
- 遺言者の住所地法(長期居住地:日本の法律)
- 財産がある場所の法律(特に不動産は所在地法が適用される)
特に 不動産は原則として所在国の法律に従うため、
日本国内の不動産は 日本法に従った遺言書として作成することが望ましいとされています。
■両国に財産がある場合の基本的な対応
以下のいずれかの方法を検討します。
| 方法 | 内容 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ① 国ごとに遺言書を作る(日本用とアメリカ用) | 各国の法律に完全準拠 | 手続きが明確で相続がスムーズ | 作成・管理が二重になる |
| ② 1通の遺言で財産を包括的に記載 | 1本の遺言で全財産を指定 | 管理が簡単 | 国によっては無効部分が出る可能性 |
| ③ 米国方式の遺言+日本方式の付属文書など | 状況に応じて特殊設計 | 税務面で有利な場合あり | 事前の専門的検討が必須 |
実務上は、
「日本の不動産は日本法に従った遺言書で対応」
が最もトラブルが少ないため、
日本とアメリカそれぞれで遺言書を作成することが望ましいケースが多いです。
■注意すべきポイント
- 形式不備により他国で 無効扱いとなるリスク
- 相続税法は国ごとに異なる(日米二重課税調整が必要)
- 日本の不動産登記手続きには 日本式の形式が必須
- 外国語の遺言書は 翻訳と証明手続きが必要になる場合あり
■結論(簡潔に)
📌日本に不動産がある場合
⇒ 日本の法律に従った遺言書の作成がおすすめです。
アメリカに財産がある場合は、併せてアメリカ法に準拠した遺言書の作成も検討すると安心です。