(Q1)関係機関連携加算の算定ルールについて、どのような条件が定められていますか?(Q2)関係機関連携加算(I)から(III)までの実施による算定の可否は、どのように判断されますか?
(A1)結論
関係機関連携加算は、児童発達支援・放課後等デイサービスを利用する児童について、学校・保育所・医療機関・児童相談所などと実質的な情報共有や連絡調整を行った場合に算定する加算です。
現在は(Ⅰ)~(Ⅳ)があり、**「誰と、何のために連携したか」**によって算定区分が変わります。
4つの区分
| 区分 | どのような場合か | 回数 |
|---|---|---|
| (Ⅰ)250単位 | 保育所・学校等と会議を行い、連携して個別支援計画を作成・見直し | 月1回まで |
| (Ⅱ)200単位 | 保育所・学校等と会議を行い、児童の状況等について情報共有・連絡調整 | 月1回まで |
| (Ⅲ)150単位 | 児童相談所・こども家庭センター・医療機関等と会議を行い、情報共有・連絡調整 | 月1回まで |
| (Ⅳ)200単位 | 就学先の小学校や就職先の企業等と移行に向けた連絡調整・相談援助 | 1回まで |
(Ⅰ)と(Ⅱ)は同じ月に両方算定できない
ここは重要です。
(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どちらも保育所・学校等との連携を評価するものなので、
同一月に(Ⅰ)と(Ⅱ)の両方を算定することはできません。
例えば4月に、学校と個別支援計画の見直し会議を行って(Ⅰ)を算定した場合、同じ4月に再び学校と情報共有会議をしても、(Ⅱ)を追加算定することはできません。
(Ⅲ)は(Ⅰ)または(Ⅱ)と同じ月でも算定できる
一方、(Ⅲ)は児童相談所・医療機関等との連携を評価するため、
(Ⅰ)+(Ⅲ)
または
(Ⅱ)+(Ⅲ)
という算定は可能です。
ただし、(Ⅰ)または(Ⅱ)の会議参加者と(Ⅲ)の会議参加者が同一の場合は算定できないとされています。
例えば
4月10日に学校と個別支援計画の見直し会議を実施
→ (Ⅰ)250単位
4月20日に医療機関と別途ケース会議を実施
→ (Ⅲ)150単位
要件を満たしていれば、同じ4月に両方算定できます。
電話だけでは(Ⅰ)~(Ⅲ)は算定できない
日常的な連携として電話を利用することは問題ありません。
しかし、
電話による情報交換だけでは、(Ⅰ)~(Ⅲ)は算定できません。
これらは会議の開催または会議への参加による情報連携を評価する加算だからです。
なお、会議は対面に限定されず、オンライン会議でも可能です。
単なる「事例紹介」でも算定できない
例えば地域の支援者会議で、
「当事業所にはA君という、このような課題を持った児童がいます」
と事例として紹介しただけでは算定できません。
その児童について、
具体的な情報共有 → 支援方法の検討 → 関係機関との連絡調整
などが行われている必要があります。
サービス担当者会議への参加にも注意
障害児相談支援事業所が開催する通常のサービス担当者会議に参加しただけでは、関係機関連携加算(Ⅱ)は算定できません。
これは、サービス担当者会議への協力は指定通所支援事業者に通常求められている業務だからです。
保護者の同意も必要
関係機関連携加算では、関係機関へ児童の情報を提供することになるため、
あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得ること
が要件となっています。
また、会議を行った場合は、
- 開催日時
- 参加者・関係機関
- 児童の状況
- 共有した情報
- 話し合った内容
- 今後の支援方針・役割分担
など、会議の要旨を記録しておく必要があります。
多機能型事業所の場合
多機能型事業所で同じ児童が複数サービスを利用している場合、サービスごとに上限回数を別々に使えるわけではありません。
同一児童について各サービスを合計して上限回数をカウントします。
まとめ
関係機関連携加算で特に覚えておきたいのは、
(Ⅰ)=学校・保育所等と「個別支援計画」のための会議
(Ⅱ)=学校・保育所等と「日常の情報共有」のための会議
(Ⅲ)=児童相談所・医療機関等との情報共有会議
(Ⅳ)=就学・就職などの移行先との連絡調整
という違いです。
そして、(Ⅰ)と(Ⅱ)は同一月に併算定不可、(Ⅲ)は一定の条件のもと(Ⅰ)または(Ⅱ)と同月算定可能、電話連絡だけでは(Ⅰ)~(Ⅲ)は算定不可、というルールが特に重要です。
なお、こども家庭庁は令和8年度(2026年度)の報酬改定資料・現行留意事項通知も公開しています。
(A2)結論
関係機関連携加算(Ⅰ)~(Ⅲ)は、「関係機関と連絡を取った回数」だけで判断するものではありません。
基本的には、
どの機関と、どのような目的で会議を行い、その会議で何を情報共有・連絡調整したのか
によって、(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)のどれを算定できるか判断します。
(Ⅰ)~(Ⅲ)の違い
| 区分 | 主な連携先・目的 | 算定 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 保育所・学校等と会議を行い、その情報を踏まえて個別支援計画を作成・見直す | 月1回 |
| (Ⅱ) | 保育所・学校等と会議を行い、児童の状況や支援方法について情報共有・連絡調整する | 月1回 |
| (Ⅲ) | 児童相談所、こども家庭センター、医療機関等と会議を行い、情報共有・連絡調整する | 月1回 |
したがって、例えば学校と会議をしたから必ず(Ⅰ)になるわけではありません。
学校との会議内容を踏まえて個別支援計画の作成・見直しまで行った場合は(Ⅰ)、計画の作成・見直しではなく、日常的な支援について情報共有・調整した場合は**(Ⅱ)**と判断します。
同じ月に複数回実施した場合
ここが重要です。
(Ⅰ)と(Ⅱ)
(Ⅰ)と(Ⅱ)は、同一月に両方を算定することはできません。
例えば、
4月5日:学校と情報共有会議 → (Ⅱ)に該当
4月20日:学校と個別支援計画の見直し会議 → (Ⅰ)に該当
という場合でも、
4月に(Ⅰ)と(Ⅱ)の両方を算定することはできません。
月1回の算定ルールと併算定制限に注意する必要があります。
(Ⅰ)または(Ⅱ)と(Ⅲ)
一方、(Ⅲ)は連携先・目的が異なるため、一定の条件を満たせば、(Ⅰ)または(Ⅱ)と同じ月に算定できます。
例えば、
学校との会議 → (Ⅰ)
医療機関との別の会議 → (Ⅲ)
というケースでは、要件を満たせば両方の算定が可能です。
ただし、国のQ&Aでは、(Ⅰ)または(Ⅱ)の会議参加者と(Ⅲ)の会議参加者が同一の場合には算定できないとされています。
電話だけでは算定できない
(Ⅰ)~(Ⅲ)については、
電話による情報交換だけでは算定できません。
電話は日常的な連携方法として活用できますが、加算では会議の開催または会議への参加が必要です。
会議は必ずしも対面である必要はなく、要件を満たしたオンライン会議でも差し支えありません。
単なる事例紹介でも算定できない
例えば地域の関係者会議で、
「当事業所には、このような課題のあるA児がいます」
と紹介しただけでは算定できません。
A児について、
現在の状況を共有 → 課題を確認 → 各機関の情報を共有 → 支援方法や役割分担を調整
というように、その児童の具体的な支援につながる会議になっていることが必要です。
判断するときのポイント
実務では、次の順番で考えると分かりやすいです。
① 会議を行ったか
電話やメールだけなら、原則として(Ⅰ)~(Ⅲ)の対象外。
② 誰と会議を行ったか
学校・保育所等なのか、医療機関・児童相談所等なのかを確認。
③ 何のための会議だったか
個別支援計画の作成・見直しなら(Ⅰ)、学校等との情報共有なら(Ⅱ)、医療機関等との情報共有なら(Ⅲ)を検討。
④ 実質的な情報共有・連絡調整を行ったか
単なる事例紹介や形式的な参加ではなく、その児童について具体的に話し合っている必要があります。
⑤ 月の算定回数・併算定制限を確認する
(Ⅰ)と(Ⅱ)は同一月に併算定できないなどのルールを確認します。
具体例
例えば放課後等デイサービスを利用するA児について、
5月10日に学校の担任とケース会議を開催し、その内容を踏まえて個別支援計画を見直した。
→ (Ⅰ)の対象
さらに5月20日にA児の主治医がいる医療機関と別途会議を行い、服薬後の状態や事業所での対応方法について情報共有・調整した。
→ 要件を満たせば**(Ⅲ)の対象**
したがって、この場合は、
(Ⅰ)+(Ⅲ)
の算定が可能になります。
逆に、学校の先生に電話して「最近のA児の様子」を10分程度確認しただけなら、日常的な連携としては有効ですが、その電話だけをもって(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定することはできません。
まとめ
関係機関連携加算(Ⅰ)~(Ⅲ)は、
「何回連絡したか」ではなく、「誰と・何の目的で・どのような会議を行ったか」で判断する
のが基本です。
特に、(Ⅰ)=個別支援計画の作成・見直し、(Ⅱ)=学校・保育所等との情報共有、(Ⅲ)=医療機関・児童相談所等との情報共有と整理すると分かりやすいです。
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