(Q1)局長通知第1の5の(2)のイに該当する就学資金に係る貸与金には、どのようなものがありますか?例:公益財団法人交通遺児育英会の奨学金、文部科学省の高等学校等進学奨励費補助を受けて行われる事業による奨学金、生活福祉資金の教育支援資金のうち特に必要と認められる場合に支給されるもの、母子福祉資金・父子福祉資金・寡婦福祉資金の修学資金のうち特別貸付けによるもの等。(Q2)貸与金や給付金等を受けて大学で就学する場合、どのような支援が受けられますか?

(A1)はい。これは、生活保護世帯の子ども等が就学する場合に、一定の奨学金・貸付金を利用していても、そのことだけで直ちに世帯分離の取扱いから外れるわけではないという規定に関係するものです。

厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第1・問6では、局長通知第1の5の(2)のイに該当する就学資金に係る貸与金として、具体的に次のものが例示されています。

  • 公益財団法人交通遺児育英会の奨学金
  • 文部科学省の「高等学校等進学奨励費補助」を受けて行われる事業による奨学金
  • 生活福祉資金の教育支援資金のうち、特に必要と認められる場合に支給されるもの
  • 母子福祉資金・父子福祉資金・寡婦福祉資金の修学資金のうち、特別貸付けによるもの

ここで大切なのは、通知に書かれている「等」という部分です。つまり、上記4種類だけに限定されるという意味ではありません。 同じように、進学・修学を目的として公的制度や公益的な制度から貸与される資金で、その就学を継続するために必要なものについては、制度の内容を確認したうえで対象になる可能性があります。

たとえば、生活保護世帯の高校生が交通遺児育英会から奨学金を借りながら高校へ通っている場合、「奨学金を借りているから、この取扱いは認められない」ということにはなりません。 このような奨学金は、局長通知が想定している「就学資金に係る貸与金」の代表例として明記されています。

また、生活福祉資金の教育支援資金や母子・父子・寡婦福祉資金については、その制度から支給されるものがすべて自動的に該当するわけではなく、「特に必要と認められるもの」「特別貸付けによるもの」など、通知に定める条件を満たす必要があります。

したがって、かなり簡単にまとめると、

「生活保護世帯の子どもが高校などで就学を続けるため、一定の公的・公益的な奨学金や教育資金を借りている場合、その貸付金を利用していることを理由に直ちに不利益な扱いをしないための規定」

と理解すると分かりやすいです。

なお、この「局長通知第1の5の(2)のイ」は、単純な収入認定の話だけではなく、「世帯分離を認める場合」の要件と関係する規定です。厚生労働省の課長通知でも、この第1の問6として上記4種類が明確に例示されています。

必要でしたら次に、「局長通知第1の5の(2)そのものが何を規定しているのか」「なぜ奨学金を借りると世帯分離が関係してくるのか」まで、具体例を使ってさらに分かりやすく整理できます。

(A2)はい。生活保護世帯の方が、一定の奨学金・給付金などを利用して大学へ進学する場合には、「大学に進学するから世帯全体の生活保護が終了する」という扱いにはなりません。 基本的には、大学へ進学する本人を生活保護上の世帯から外す「世帯分離」を行い、家族については引き続き生活保護を受ける仕組みになります。厚生労働省の局長通知では、一定の貸与金・給付金等を受けて大学で就学する場合を、世帯分離が認められる場合として定めています。

対象になる主な制度は、①大学等における修学の支援に関する法律による給付型奨学金・授業料等減免、②日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金・給付型奨学金、③国の補助を受けて行われるこれらに準ずる就学資金の貸付、④地方公共団体が行うこれらに準ずる奨学金・給付金、⑤大学独自の奨学金・給付金等で福祉事務所が適当と認めるもの、です。

つまり、大学進学後のイメージは、**「本人の大学生活費や学費は奨学金・授業料減免・アルバイト収入などを活用して賄い、残された家族は生活保護を継続する」**という形です。原則として大学生本人には生活扶助などの生活保護費は支給されません。これが「世帯分離」です。

ただし、同居したまま大学へ通う場合については重要な配慮があります。大学進学によって本人が世帯分離されても、本人が引き続き家族と同じ住宅に住んでいる場合、住宅扶助については単純に大学生1人分を減らす取扱いにならないような措置が設けられています。 大学進学による世帯分離が家族の家賃負担を過度に増やさないための仕組みです。

さらに、生活保護世帯から大学等へ進学する場合には、進学準備給付金があります。これは大学進学時の新生活の立ち上げに必要な費用を支援する制度で、大学等への進学が確実に見込まれるなど一定の要件を満たした場合に、本人の申請に基づいて支給されます。

整理すると、

高校まで
→ 原則として本人も生活保護世帯の一員として保護を受ける

大学へ進学
→ 原則として大学生本人を「世帯分離」
→ 本人分の生活扶助等は原則支給されない
→ 家族は引き続き生活保護を受給できる
→ JASSOなどの給付型・貸与型奨学金を利用できる
→ 修学支援新制度による授業料・入学金の減免+給付型奨学金を利用できる場合がある
→ 要件を満たせば進学準備給付金も受けられる

という仕組みです。

したがって、この「局長通知第1の5の(2)」は、生活保護世帯だから大学進学を認めないという規定ではなく、奨学金や授業料減免などを活用して大学に進学する道を認め、その際は大学生本人だけを原則として生活保護から世帯分離するための規定と理解すると分かりやすいです。

なお、現在の局長通知では、大学進学に利用できる資金をかなり広く認めており、JASSOだけでなく、自治体や大学独自の奨学金等も条件次第で対象になります。

必要であれば次に、**「大学進学で世帯分離された場合、生活扶助・住宅扶助・医療扶助は具体的にどう変わるのか」**を、親1人+大学生1人の2人世帯を例にして分かりやすく説明できます。

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