(Q)単身者である入院患者または介護老人保健施設入所者が、入院または入所前の居住地を失った場合、たとえ他に親族などの引き取り先となることが期待される場所があったとしても、当該入院または入所が法によるものであるか否かに関わらず、その場所はすべて居住地として認定しなくてもよいのでしょうか?
(A)はい。原則として、その理解でよいです。 ただし、例外があります。
厚生労働省の取扱いでは、単身の入院患者または介護老人保健施設の入所者について、入院・入所前に住んでいた場所がなくなった場合、たとえ親族宅など「退院・退所後に身を寄せられそうな場所」があったとしても、それだけを理由にその親族宅を本人の「居住地」と認定することはしません。これは、その入院・入所が生活保護法によるものかどうかにかかわらない取扱いです。
たとえば、単身者がアパートで暮らしていたところ入院し、その後アパートを解約したとします。退院後は「兄の家に行くかもしれない」という話があったとしても、兄の家があるというだけでは、兄の住所を本人の居住地とは扱いません。
つまり、
「退院後に引き取ってくれそうな親族がいる」=「その親族宅が現在の居住地になる」
ということではありません。
一方で、例外として局長通知第2の2の(2)に該当する場合があります。厚生労働省の通知では、出身世帯が分散しているなどの事情がある場合、生活の本拠として最も安定性のある場所などを基準として居住地を認定する取扱いがあります。
したがって、この問答を簡単に言い換えると、
単身入院患者等が元の住居を失った場合、単に「退院したら親族が引き取ってくれそう」というだけでは、その親族宅を本人の居住地とはしない。原則として居住地のない者として扱う。ただし、局長通知第2の2の(2)に当たるような事情がある場合は例外となる。
という意味です。
この「居住地」の認定は非常に重要です。生活保護法では、どこの福祉事務所が保護の実施責任を負うかを決める際に、「居住地があるか」「居住地がなく現在地で判断するか」が関係するからです。入院前の住居を失い、他に居住地と認定できる場所がなければ、原則として居住地のない者として現在地を基準に実施責任を判断することになります。
特に大事なのは、「親族宅があること」と「そこが生活保護法上の居住地であること」は別問題だという点です。単に親族がいる、退院後に引き取る可能性がある、という程度では足りません。
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