(Q1)世帯分離された入院患者や介護老人保健施設入所者について、出身世帯の居住地をそのまま本人の居住地として認定すべきでしょうか?(Q2)出身世帯が移転した場合でも、上記と同様に本人の居住地として認定してよいのでしょうか?
(A1)はい。原則として、その理解で正しいです。
厚生労働省の現行の生活保護実施要領では、世帯分離されている入院患者または介護老人保健施設(老健)の入所者について、出身世帯が住んでいる場所を本人の「居住地」として認定する取扱いになっています。課長通知の「第2 問2」でも、この質問に対して明確に**「お見込みのとおりである」**と回答されています。
具体例で考えると
たとえば、
夫・妻がA市で生活保護を受給
↓
夫がB市の病院へ長期入院
↓
生活保護上、夫だけ「世帯分離」
↓
夫はB市の病院にいる
という場合です。
この場合、夫が実際に生活している場所はB市の病院ですが、生活保護の実施責任を判断するための「居住地」については、原則として出身世帯である妻が住んでいるA市として扱います。
局長通知でも、同一世帯員として認定される者については、出身世帯が居住する場所を居住地として認定するとされています。
さらに重要なのが、出身世帯が引っ越した場合です。
たとえば、
妻:A市 → C市へ転居
夫:引き続きB市の病院に入院中
であれば、世帯分離されている夫についても、原則として新しい出身世帯の所在地であるC市が居住地として認定されます。
つまり、
「入院している病院の所在地に居住地が固定される」のではなく、「出身世帯の居住地についていく」
という考え方です。厚生労働省の課長通知は、「出身世帯が移転した場合も同様」と明記しています。
ただし、「完全な別世帯」とされた場合は注意
ここでいう「世帯分離」は、家族との関係を完全に切って独立世帯になったという意味ではありません。生活保護上、同一世帯としての関係を残しながら、保護の計算などについて例外的に分けて取り扱っている状態です。
そのため、出身世帯との関係が長期間にわたって事実上なくなっているなど、一定の条件を満たして出身世帯とは別世帯とみなす取扱いになった場合には、別の判断になります。厚生労働省通知では、世帯分離後の入院・入所がおおむね5年以上に及ぶことなど、一定の場合に別世帯として扱える規定があります。
したがって、今回の質問を一言でまとめると、
世帯分離されているだけの入院患者・老健入所者であれば、原則として出身世帯の住所地を本人の居住地として扱います。出身世帯が転居すれば、本人の居住地もその転居先として認定します。
これは、「実際にどこで寝泊まりしているか」という意味の住所の問題というより、どこの福祉事務所が生活保護の実施責任を負うかを決めるための「居住地認定」のルールと考えると分かりやすいです。
(A2)はい。出身世帯が移転した場合でも、移転後の出身世帯の居住地を、世帯分離されている本人の居住地として認定して差し支えありません。
厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第2・問2では、まさにこの点が確認されており、
「世帯分離された入院患者又は介護老人保健施設入所者については、出身世帯の居住地をその居住地として認定すべきであり、出身世帯が移転した場合も同様であると解してよいか。」
という問いに対し、**「お見込みのとおりである」**と回答されています。
例えば、本人がB市の病院に入院していて、出身世帯である家族がA市に住んでいたとします。その後、家族がA市からC市へ転居した場合、本人が引き続きB市の病院に入院していても、生活保護上の居住地は原則としてC市として取り扱います。
つまり、
出身世帯:A市 → C市へ転居
本人:B市の病院に入院したまま
→ 本人の居住地も原則として C市として認定
という考え方です。
これは、世帯分離が「家族と完全に別世帯になった」という意味ではなく、本来は同一世帯に属する者について、生活保護上の必要から例外的に分けて取り扱っている状態だからです。局長通知でも、病気治療のための入院や介護老人保健施設への入所について、一定の場合に世帯分離できることが定められています。
したがって、今回の質問への答えを簡単にまとめると、
はい。世帯分離された入院患者・介護老人保健施設入所者については、出身世帯が転居した場合も、原則としてその「新しい出身世帯の居住地」を本人の居住地として認定します。
なお、これは特にどこの福祉事務所が保護の実施責任を負うかを判断するときに重要になるルールです。
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