(Q1)退所後に保育所等を訪問して助言・援助を行った場合、どのような条件で加算を算定できますか?(Q2)障害児通所支援の利用が終了する児童に対して、退所後に一定期間のサービス有効期間を設ける必要があるのはなぜですか?

(A1)結論

はい。児童発達支援や放課後等デイサービス等を退所した児童について、退所後30日以内に移行先の保育所等を訪問し、移行後の生活上の課題について助言・援助を行った場合は、要件を満たせば**「保育・教育等移行支援加算」**を算定できます。

退所後に保育所等を訪問する場合の主な条件

次のように考えると分かりやすいです。

  1. 児童が事業所を退所して、保育所等へ移行していること
    児童発達支援等で移行支援を行った結果、児童が退所し、保育所・幼稚園・認定こども園などの移行先施設で生活することになった場合が対象です。
  2. 退所後30日以内に訪問すること
    退所後の移行先施設への訪問は、退所後30日以内に行う必要があります。
  3. 実際に移行先施設を訪問すること
    例えば、児童が移行した保育所等を事業所職員が訪問して支援します。単なる電話連絡だけでは、この「退所後の移行先施設への訪問」としての算定要件は満たしません。
  4. 移行後の課題について具体的な助言・援助をすること
    例えば、「集団活動に入りにくい」「予定変更で混乱する」「食事場面で支援が必要」といった移行後の状況を確認し、これまで有効だった支援方法や環境調整などを保育所等の職員へ伝えます。
  5. 保護者の同意等を適切に得て計画的に実施すること
    移行支援について、児童・家族の意向や課題を把握し、あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得たうえで、個別支援計画に位置付けて実施することが求められます。
  6. 支援内容を記録すること
    訪問日だけでなく、「どのような課題があったか」「保育所等へ何を助言したか」など、支援内容の要点を記録しておく必要があります。

何回算定できる?

退所後に移行先施設を訪問して助言・援助を行う場合は1回を限度として算定します。

さらに別枠として、退所後30日以内に児童の居宅等を訪問して児童・家族へ相談援助を行った場合も1回算定できます。

したがって、退所後については、

① 家庭等への訪問:1回まで
② 移行先の保育所等への訪問:1回まで

という整理になります。

現行の報酬資料でも、退所後について「居宅と保育所等への訪問を1回ずつ」とされています。

具体例

例えば、児童発達支援を3月31日に退所し、4月から保育所へ通い始めたA児について、4月15日に元の児童発達支援事業所の職員が保育所を訪問したとします。

保育所から「集団活動への切替えが難しい」と相談を受け、事業所職員が、

「A児には写真付きスケジュールを事前に見せると切替えやすかったので、保育所でも同じ方法を試してください」

など、A児の特性を踏まえた具体的な助言・援助を行い、その内容を記録した場合、その他の要件も満たしていれば保育・教育等移行支援加算の対象となります。

算定できない場合にも注意

退所して、

  • 病院・診療所へ入院する
  • 他の社会福祉施設等へ入所する
  • 小学校・中学校・高校等へ入学する
  • 死亡退所する

場合などは、この加算の対象になりません。

また、関係機関連携加算や保育所等訪問支援など、別の報酬で既に評価されている同じ支援行為について重ねて算定することはできません。

要するに、

退所後30日以内に実際に移行先の保育所等を訪問し、児童の移行後の課題について具体的な助言・援助を行い、その内容を記録すること

が、退所後の保育・教育等移行支援加算を算定する際の重要なポイントです。

(A2)結論

障害児通所支援を終了する児童について、退所後にも一定期間の通所給付決定(受給者証)の有効期間を確保することが望ましいとされている主な理由は、

退所後に行う「保育・教育等移行支援加算」の支援を、適切に実施・請求できるようにするため

です。

つまり、「退所したらすぐに給付決定期間も終了」としてしまうと、退所後のフォローアップ支援を加算として評価できなくなる可能性があるためです。

なぜ退所後にも支援が必要なのか

児童発達支援などから保育所等へ移行したからといって、支援がその日ですべて終了するわけではありません。

例えば、保育所に移った後に、

  • 集団生活になじめない
  • これまで有効だった支援方法が保育所にうまく引き継がれていない
  • 保護者が移行後の生活に不安を感じている
  • 保育所の職員が児童への対応方法に困っている

といった問題が生じることがあります。

そこで、元の障害児通所支援事業所が退所後も一定期間フォローする仕組みとして、保育・教育等移行支援加算が設けられています。

退所後30日以内のフォローアップ

この加算では、退所後の支援として、例えば、

① 児童の居宅等を訪問する
児童・保護者に対して、移行後の生活について相談援助を行います。

② 移行先の保育所等を訪問する
保育所等の職員に対して、児童の特性や有効な支援方法について助言・援助を行います。

といった支援が想定されています。

これらは原則として退所後30日以内に行います。

そのため、市町村が給付決定期間を「事業所を退所した日」で直ちに終了させてしまうと、退所後30日以内に行う支援について、加算の請求ができないという問題が生じます。

具体例

例えばA児が3月31日に児童発達支援を退所し、4月1日から保育所へ移行するとします。

4月15日に元の児童発達支援事業所が保育所を訪問し、

「A児は予定変更の際に写真や絵カードで事前に知らせると落ち着きやすい」

など、保育所職員へ具体的な助言を行ったとします。

これはまさに退所後の移行支援です。

ところが、通所給付決定の有効期間が3月31日で完全に終了していると、4月15日の支援について加算を請求することができなくなる場合があります。

そのため、国は市町村に対して、こうした退所後の支援を考慮した給付決定期間の設定について配慮することを求めています。

「サービスを30日間利用し続ける」という意味ではありません

ここは重要です。

退所後に有効期間を残すというのは、

児童発達支援を退所後も毎日利用できるようにするためではありません。

あくまで、退所後に必要となる移行支援・フォローアップを報酬上適切に評価できるようにするための取扱いです。

したがって、

実際の通所利用終了日
通所給付決定の有効期間の終了日

が必ずしも同じ日でなければならない、というわけではありません。

まとめ

簡単に整理すると、

障害児通所支援を終了

保育所等の一般施策へ移行

移行した直後はトラブルや困りごとが生じやすい

元の事業所が退所後30日以内にフォローアップ

その支援を保育・教育等移行支援加算として評価

そのため、加算を請求できるよう給付決定の有効期間を適切に設定しておく必要がある

という仕組みです。

要するに、

「退所したら支援終了」ではなく、保育所等への移行が実際にうまくいくところまで支援するために、退所後のフォローアップ期間を確保する

というのが、この取扱いの目的です。

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