(Q1)医療連携体制加算の必要性によって、報酬区分が異なるのはなぜですか?(Q2)医師からの指示があれば、医療的ケアを必要としない利用者に対する看護についても医療連携体制加算の算定は可能ですか?

(A1)医療連携体制加算で報酬区分が分かれているのは、看護の必要性・医療的ケアの有無・看護職員が実際に看護を提供する時間・対象となる児童数によって、看護職員の負担や専門性が大きく異なるためです。

大きく分けると、医療連携体制加算(Ⅰ)~(Ⅲ)は、医療的ケアを必要としない児童に対する看護が中心です。一方、(Ⅳ)・(Ⅴ)は、医療的ケアを必要とする児童に対する看護を評価する区分です。令和8年度の報酬体系でも、この違いが明確にされています。

たとえば、医療的ケアを必要としない児童であっても、医師の指示に基づいて健康状態の観察やバイタルサイン測定などの看護が必要な場合があります。この場合も医療連携体制加算の対象となり得ます。こども家庭庁のQ&Aでは、単なるバイタル測定だから対象外というわけではなく、医師の指示に基づき、その測定が必要である根拠が明確になっていれば算定可能とされています。

これに対して、喀痰吸引、経管栄養などのように医療的ケアが必要な児童の場合は、看護職員に求められる対応や責任がより大きくなります。そのため、(Ⅳ)・(Ⅴ)では、さらに看護提供時間が4時間未満か、4時間以上かによって報酬が分けられています。例えば、(Ⅳ)は医療的ケアが必要な児童への看護が4時間未満、(Ⅴ)は4時間以上の場合です。

さらに、同じ時間看護職員が訪問していても、1人だけを看護する場合と、複数の児童を同時に看護する場合では、1人当たりに投入できる看護資源が異なります。そのため、看護を受ける児童の人数によっても単位数が変わる仕組みになっています。たとえば(Ⅴ)では、1人の場合は1,600単位、2人の場合は1人当たり960単位、3~8人の場合は1人当たり800単位となっています。

つまり、制度の考え方を簡単に表すと、

看護の必要性が高い
+ 医療的ケアが必要
+ 看護時間が長い
+ 少人数に手厚く看護する
→ より高い報酬で評価する

という仕組みです。

したがって、「医療連携体制加算だから一律○単位」という制度ではなく、実際にどの程度の看護体制を確保し、どのような児童に、どのくらいの時間、何人に対して看護を提供したのかを反映するために区分が細かく分かれていると理解すると分かりやすいです。

(A2)はい。医師から具体的な看護の指示があり、その利用者に看護を提供する必要性が認められる場合は、いわゆる「医療的ケア児」に該当しない利用者であっても、医療連携体制加算を算定することが可能です。

こども家庭庁のQ&Aでも、「医師からの指示があれば、医療的ケアを必要としない利用者に対する看護についても加算の算定が可能」と明示されています。

たとえば、経管栄養や喀痰吸引などの医療的ケアは必要ない児童でも、持病などのために血圧・脈拍・体温・酸素飽和度などを継続的に確認する必要があり、医師が看護職員による観察を指示している場合などが考えられます。

さらにQ&Aでは、バイタルサインの測定だけの場合でも、それだけを理由に加算対象外にはならないとされています。ただし、「とりあえず看護師が体温を測った」というだけでは不十分です。医師の指示書に、測定する目的や、病態が変化した場合にどのようなバイタル変動が想定されるかなどを記載してもらい、なぜその児童に看護が必要なのかを明確にしておくことが求められています。

また、障害児ごとに医師の指示を受け、その内容を書面で残し、具体的な看護内容を個別支援計画等に位置付ける必要があります。

したがって、ポイントは次のとおりです。

  • 医療的ケア児であること自体は必須ではない
  • 医師による具体的な看護の指示が必要
  • その看護が必要である医学的な根拠を明確にする
  • 指示内容を書面で保存する
  • 具体的な看護内容を個別支援計画等に反映する
  • 実際に看護職員が指示に沿った看護を行い、記録を残す

例えば、「医療的ケアスコアが付いていない児童だから医療連携体制加算は絶対に算定できない」という理解は適切ではありません。 医療的ケアの有無だけではなく、その児童について医師の指示に基づく看護が実際に必要かどうかで判断する、というのがポイントです。

一方で、健康管理目的で全利用児童の体温を測るだけといった通常の健康チェックまで、当然に医療連携体制加算の対象になるわけではない点には注意が必要です。

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