(Q)厚生年金を受給している者について、既に受給した年金額に過払いがあったことが判明し、今後その過払い分を本来受給すべき額から数回に分割して減額されることとなりました。この場合、既に支給された年金額は過払い分も含めて毎月収入認定されていたことから、今後の減額支給分については、その受給実額を収入として認定することとしてよいでしょうか。

(A)はい。この質問は、年金の過払い分を後から返すことになった場合、生活保護の収入認定をどうするのかという問題です。

簡単に言い換えると、

「以前、厚生年金を多く受け取っていましたが、そのときは多く受け取った分も含めて生活保護の収入として認定されていました。後になって過払いが判明し、今後の年金から少しずつ差し引かれることになりました。この差し引かれている期間は、差引き前の本来の年金額ではなく、実際に振り込まれた少ない金額だけを収入認定してよいのでしょうか?」

という質問です。

結論

このような場合には、原則として、過払い分を差し引いた後の「実際に受給した年金額」を収入として認定して差し支えないと考えます。

理由は、過払いが発生した当時、過払い分を含む年金全額がすでに生活保護上の収入として認定されているからです。

例えば、本来の年金が月10万円だったところ、以前に1万円多く支給され、11万円を受け取っていたとします。

その当時、福祉事務所も11万円全額を収入認定していたとします。

その後、過払い分を返還するため、今後の年金が、

本来10万円 − 過払い分の返還2万円 = 実際の受給額8万円

となった場合です。

このとき10万円を収入認定してしまうと、本人は実際には8万円しか利用できないうえ、過去の過払い分1万円についても既に収入認定を受けています。そのため、過払い分について実質的に二重に収入として扱う結果になりかねません。

したがって、このようなケースでは、減額された期間については、実際に支給される8万円を収入として認定するという取扱いになります。

通常の借金返済とは違います

ここは重要です。

例えば消費者金融への借金返済として年金から何らかの支払いをしているからといって、その返済額を自由に収入から控除できるわけではありません。

今回の場合は、過去に過払いされた年金自体が当時すでに生活保護の収入として認定されているという特殊な事情があります。

そのため、

過去:過払い分を含めて収入認定済み
↓
年金機関が過払い分を後の年金から回収
↓
回収期間中:減額後の実際の年金受給額を収入認定

という考え方になります。

したがって、一言でまとめると、**「過去の年金過払い分について、その過払い分を含めて既に生活保護の収入として認定していた場合、その返還のため今後の年金から分割して減額される期間については、原則として減額後の実際の受給額を収入認定して差し支えない」**と理解すると分かりやすいです。

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