(Q)保護開始前に災害等を受け、その災害に起因する後遺症等の損害が保護開始後に生じた場合、その請求権に基づいて新たに支払われる補償金はどのように取り扱われますか?

(A)はい。この質問は、生活保護を受ける前に災害や事故に遭い、その後、生活保護を開始してから後遺症などが発生し、新たに補償金を受け取った場合、その補償金を収入として認定するのかという質問です。

① 結論

保護開始前に災害等を受けていても、保護開始後に新たに生じた後遺症等の損害について支払われる補償金は、保護開始後に発生した損害に対する補償金として取り扱います。

したがって、災害や事故が保護開始前に起きたという理由だけで、その補償金を保護開始前から保有していた資産と判断するわけではありません。

ただし、受け取った補償金の全額が、自動的に収入認定から除外されるわけではありません。

② 具体例

例えば、次のようなケースです。

生活保護を受けているAさんは、保護開始前に交通事故に遭いました。

その後、生活保護が開始されましたが、事故による後遺症が新たに発生し、保険会社から補償金100万円を受け取りました。

この場合、次のように考えます。

項目内容
事故の発生生活保護開始前
生活保護の開始事故発生後
後遺症等の損害の発生生活保護開始後
補償金の支払い生活保護開始後
補償金の取扱い保護開始後に生じた損害に対する補償金として判断する

このように、事故がいつ起きたかだけでなく、補償の対象となる損害がいつ発生したかが重要です。

③ 収入認定はどうなりますか?

受け取った補償金については、原則として収入認定の対象となるかを判断します。

ただし、補償金のうち、後遺症の治療や生活再建など、自立更生のために必要と認められる費用については、一定の条件の下で収入認定から除外できる場合があります。

例えば、補償金100万円のうち、次のような使途が考えられます。

使用目的金額取扱い
後遺症に伴う必要な費用30万円要件を満たせば収入認定から除外できる場合がある
就労に必要な費用20万円自立更生の必要性を確認して判断
その他の生活費50万円原則として収入認定の対象

※金額は説明のための例です。

④ 福祉事務所では何を確認しますか?

実務上は、主に次の点を確認します。

  1. 災害や事故が発生した時期
    保護開始前か、開始後か。
  2. 後遺症等の損害が発生した時期
    保護開始後に新たに生じた損害なのか。
  3. 補償金の内容
    後遺障害に対する補償なのか、休業損害なのか、治療費なのか。
  4. 補償金の使途
    自立更生のために必要な費用として使用する予定があるか。
  5. 補償金の支払時期と金額
    いつ、いくら支払われたのか。

なお、保護開始後に支払われた補償金であっても、保護開始前に既に発生していた損害に対するものが含まれている場合は、その部分を区別して判断する必要があります。

⑤ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

生活保護開始前に災害等を受け、その災害に起因する後遺症等の損害が保護開始後に新たに発生した場合、その請求権に基づいて支払われる補償金は、保護開始後に生じた損害に対する補償金として取り扱います。

そのうえで、補償金の性質や使途を確認し、自立更生に必要な費用については収入認定から除外できるかを判断します。

つまり、「事故が保護開始前だから、補償金もすべて保護開始前の資産になる」という考え方ではなく、後遺症などの損害が実際に発生した時期を確認することが重要です。

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