(Q3)技能習得手当とあわせて支給される基本手当や寄宿手当には、どのような勤労収入の取り扱いがありますか?
(A3)はい。この質問は、生活保護受給者が、職業訓練を受けながら技能習得手当と基本手当・寄宿手当を受給している場合、それらの手当に勤労控除(基礎控除)を適用できるのかという質問です。
① 結論
技能習得手当とあわせて支給される基本手当や寄宿手当については、勤労収入に準じて「基礎控除」を適用することが認められています。
これは、厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」の第8・問50に明確に示されています。
つまり、基本手当や寄宿手当は、実際に働いて得た給与ではありませんが、生活保護の収入認定においては、勤労収入と同様に基礎控除を適用できるということです。
② 基本手当・寄宿手当とは?
まず、それぞれの手当について説明します。
| 手当の種類 | 内容 | 生活保護での取扱い |
|---|---|---|
| 技能習得手当 | 職業訓練を受けるための受講手当や通所手当 | 訓練に必要な費用との関係を確認して取り扱う |
| 基本手当 | 職業訓練期間中の生活を支えるために支給される手当 | 勤労収入に準じて基礎控除を適用できる |
| 寄宿手当 | 職業訓練のために家族と離れて寄宿する場合に支給される手当 | 勤労収入に準じて基礎控除を適用できる |
基本手当や寄宿手当は、職業訓練を受ける人の生活や訓練環境を支えるための給付です。
③ 厚生労働省の通知では、どのように定められていますか?
根拠となるのは、次の通知です。
「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第8・問50
この問答では、労働施策総合推進法等に基づく技能習得手当を受給しながら技能習得している人について、あわせて支給される基本手当や寄宿手当に、勤労収入に準じて基礎控除を適用してよいかという質問に対して、認める回答が示されています。
したがって、基本手当や寄宿手当には、基礎控除を適用できるというのが通知上の取扱いです。
④ 具体例
生活保護を受けているAさんが、ハローワークの指示によって職業訓練を受けているとします。
Aさんには、毎月次の手当が支給されています。
- 基本手当:80,000円
- 寄宿手当:10,000円
- 技能習得手当:15,000円
この場合、基本手当と寄宿手当の合計は90,000円です。
この90,000円について、勤労収入に準じた基礎控除を適用することができます。
例えば、説明のために基礎控除額を仮に20,000円とすると、次のようになります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基本手当 | 80,000円 |
| 寄宿手当 | 10,000円 |
| 合計 | 90,000円 |
| 基礎控除額(仮定) | 20,000円 |
| 収入認定額 | 70,000円 |
※20,000円は計算方法を説明するための仮の金額です。実際の基礎控除額は、適用される基準に従って算定します。また、技能習得手当15,000円については、別途その性質に応じた取扱いを確認する必要があります。
⑤ 注意点
ここで重要なのは、次の3点です。
1.基本手当や寄宿手当は、給与ではない
実際に労働して得た賃金ではありませんが、通知によって勤労収入に準じた基礎控除が認められています。
2.収入認定をしないという意味ではない
基礎控除が適用できるということは、手当の全額を収入認定から除外するという意味ではありません。
3.手当の支給方法にも注意する
毎月支給される場合と、一括して支給される場合とでは、収入認定の時期などを確認する必要があります。
⑥ まとめ
今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。
労働施策総合推進法等に基づく技能習得手当を受給しながら技能習得を行っている生活保護受給者については、あわせて支給される基本手当や寄宿手当に対して、勤労収入に準じて基礎控除を適用することが認められています。
つまり、**「基本手当や寄宿手当は給与ではないが、生活保護の収入認定では勤労収入と同様に基礎控除を適用できる」**ということです。
根拠通知: 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第8・問50
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