(Q)生活保護申請時に相続財産や損害賠償請求権がある場合はどうのような配慮を要しますか?
(A)生活保護申請時に相続財産や損害賠償請求権がある場合は、「今すぐ使える資産か」「将来受け取る可能性がある権利か」を切り分けて、正確に申告しつつ、受給可否・開始時期・返還リスクをコントロールする配慮が重要です。実務ポイントを整理します。
目次
① 大原則(まず押さえる考え方)
- 生活保護は“資産活用が前提”
現に活用できる資産・権利があれば、原則として先に活用が求められます。 - ただし、未確定・未回収の権利まで即不支給になるわけではありません。
- 不申告・過少申告は不正受給リスク(後日返還・加算金)につながるため、必ず申告。
② 相続財産がある場合の配慮
1. 相続が「確定している」ケース
例:遺産分割協議が完了し、預貯金・不動産の取得が確定している
- ▶ 原則:生活保護より先に相続財産を生活費に充当
- ▶ 対応:
- 預貯金:受給開始前に消費・精算を求められることが多い
- 不動産:売却可能性・居住用か否かを個別判断
2. 相続が「未確定」ケース(よくある)
例:相続人間で協議中/遺産内容が未確定
- ▶ 実務上の扱い:
- 申請自体は可能
- ただし「将来取得見込み資産」として申告必須
- ▶ 配慮ポイント:
- 協議状況・見込み額を文書で説明
- 相続確定後は収入認定 or 返還対象になる可能性あり
3. 相続放棄を検討している場合
- 生活保護のための相続放棄は原則不可(権利放棄=資産活用拒否と評価されやすい)
- ただし、明らかな債務超過の場合は合理性あり
- ▶ 行政書士としての配慮:
- 債務・資産の一覧化
- 放棄理由を感情論ではなく「経済合理性」で説明
③ 損害賠償請求権がある場合の配慮
1. 請求権が「未確定」の段階
例:交通事故後、示談・訴訟前
- ▶ 扱い:
- 申請は可能
- 「将来取得見込みの権利」として申告
- ▶ 重要:
- 治療中・争い中で金額・時期が不明な点を明確に説明
2. 賠償金を受領した場合
- ▶ 原則:
- 受領した賠償金は収入認定
- ▶ ただし例外あり:
- 治療費・慰謝料の一部は「目的限定」として収入除外されることも
- ▶ 実務配慮:
- 内訳(治療費・逸失利益・慰謝料)を明確に
- 一括入金時は使途計画を事前に説明
3. 生活保護受給後に賠償金が確定した場合
- ▶ 返還調整が行われるケースが多い
- ▶ ポイント:
- 受給開始時に申告していれば「不正」にはならない
- 未申告だと遡及返還+指導の可能性
④ 実務で必須の対応(行政書士目線)
✔ 申請時にやるべきこと
状況説明書(別紙)を添付
例: 現在、相続については遺産分割協議が開始されておらず、取得財産・時期は未定です。
相続・賠償の有無を必ずヒアリング
未確定でも**「あります」と申告**
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