(Q)公共交通機関が十分に整備されていない地域に居住し、現在は自転車で通勤しているAさんが、収入不足を理由に生活保護を申請する場合、保護開始後も通勤用として自家用車を保有することは可能でしょうか。なお、Aさんは健常者です。

(A)👉 原則は「自家用車は保有不可」
👉 ただし 例外的に保有が認められる場合があります


① 生活保護と自動車の基本原則

生活保護は
📌「活用できる資産は活用する」が大原則です(資産活用の原則)

自動車は通常

  • 換価性がある資産
  • 維持費(保険・税金・ガソリン)がかかる

という理由から

👉 原則は処分指導対象

になります。


② 今回のケースのポイント

Aさんの状況:

  • 公共交通機関が不十分な地域
  • 現在は自転車通勤
  • 健常者
  • 収入不足で生活保護申請

この場合、最大の論点は

🚗「通勤に本当に車が必要か?」

です。


③ 通勤用車両が認められるケース

厚労省通知・自治体運用では、次のような場合に例外的に認められます。

✅ 保有が認められやすいケース

  • バス・電車がほぼない
  • 勤務地が遠距離
  • 深夜・早朝勤務
  • 自動車がないと就労継続が困難
  • 代替手段(自転車等)が事実上困難

④ 今回のAさんはどうなる?

今回の事例では

  • 既に「自転車通勤」ができている
  • 健常者
  • 車がなくても就労可能と見られやすい

👉 この場合は

「車がなくても生活できている」と判断される可能性が高い

ため

⚠ 原則として保有は認められにくいです。


⑤ ただし例外の可能性

例えば:

  • 雨天時に著しく危険
  • 冬季積雪地域
  • 勤務地変更予定
  • 転職活動に車が不可欠
  • 通勤距離が非常に長い(例:片道15km以上)

などの事情があれば、
「就労維持のため必要」と主張する余地はあります。


⑥ 実務上の現実

実務ではケースワーカーは次を見ます:

✔ 就労の安定性
✔ 車がなければ退職するか
✔ 車の価値(高額車両は不可)
✔ 維持費が最低生活費を圧迫しないか


⑦ まとめ

状況判断
車がなくても通勤可能❌ 原則不可
車がないと就労困難⭕ 例外許可あり
健常者で自転車通勤可能❌ 認められにくい

⑧ 実務アドバイス(申請支援時)

申請支援をされる場合は:

  • 「車がないと就労継続できない合理的説明」を準備
  • 勤務証明書を取得
  • 通勤経路図を用意
  • バス時刻表を添付
  • 維持費内訳を整理

ここまで準備すると、交渉材料になります。

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