(Q1)更生保護施設の宿泊所に引き続き滞在し、用務の手伝いや日雇い労働等に従事している者について、委託保護の期間(6か月)が終了した後も、その宿泊所を居住地とみなしてよいのでしょうか?(Q2)更生保護施設の宿泊所に滞在している者の基準生活費の計上は、どのように行えばよいのでしょうか?(Q3)6か月を待たずに委託保護を終了し、引き続き更生保護施設に滞在する者について、生活保護の要件を満たす場合には、どのような対応が必要でしょうか?
(A1)はい、一定の場合は更生保護施設(宿泊所)を居住地として取り扱うことができます。
わかりやすく言うと、
- 委託保護期間(通常6か月)が終了した後も
- 本人が引き続きその施設に居住しており
- 用務員の手伝いや日雇い労働などをしながら生活していて
- 実際にその施設を生活の本拠としている
のであれば、その更生保護施設を「居住地」とみなして差し支えありません。
ただし、単なる一時的な宿泊や短期間の滞在ではなく、
✅ 生活の中心がその施設にあること
✅ 当面そこに居住を継続する意思があること
✅ 郵便物の受領や日常生活がその施設を基盤として行われていること
などを総合的に判断します。
生活保護実務での考え方
生活保護では「現在どこで生活しているか」が重要です。
そのため、
- 更生保護施設の委託保護期間が終了した
- 保護観察も終了した
という理由だけで直ちに居住地性が否定されるわけではありません。
実際にその施設で生活を続けているなら、その施設所在地を管轄する福祉事務所で生活保護申請を行うことができます。
行政書士実務での回答例
更生保護施設の委託保護期間が終了した後であっても、本人が引き続き当該施設に居住し、日常生活の本拠としている場合には、その施設を居住地として取り扱うことができます。居住地の認定は、委託保護の有無ではなく、現実に生活の本拠がどこにあるかによって判断されます。
生活保護申請との関係での質問であれば、福祉事務所向けの説明文や申請時の主張書の文案も作成できます。
(A2)更生保護施設(更生保護事業法に基づく施設)の宿泊所に入所している方について生活保護を適用する場合、基準生活費の考え方は通常のアパート等で生活している方とは少し異なります。
基本的な考え方
更生保護施設では、
- 食事が提供される
- 光熱水費が施設利用料に含まれる
- 宿泊費が施設に支払われる
ことが多いため、生活保護費は実際の生活実態に応じて算定されます。
基準生活費の計上方法
一般的には、
✅ 生活扶助(第1類費)
→ 個人の食費・被服費・日用品費等として計上
✅ 生活扶助(第2類費)
→ 施設で負担されている部分について減額調整される場合がある
✅ 住宅扶助
→ アパートの家賃ではなく、更生保護施設の利用料として支給
という形になります。
実務上は
厚生労働省の生活保護手帳では、更生保護施設等に入所している場合は「居宅」ではなく「施設入所者」として取り扱うことがあり、施設が食事等を提供している場合には、その分を考慮して最低生活費を認定します。
例えば、
- 朝昼晩の食事付き
- 光熱費込み
であれば、通常の単身世帯より支給額は少なくなります。
ケースワーカーが計算する際
最低生活費は
生活扶助 + 住宅扶助 + 加算(該当者のみ)
で算定しますが、
更生保護施設の場合は施設利用料や食事提供の実態を確認したうえで認定します。
行政書士として相談を受けた場合
相談者には、
「更生保護施設に入っているから生活保護を受けられないわけではありません。施設の利用料や食事の提供状況に応じて保護費が計算されます。」
と説明すると分かりやすいでしょう。
また、施設名が分かれば、その施設の利用料や食事提供の有無を前提に、具体的な最低生活費の計算例をお示しできます。
(Q3)更生保護施設に入所している人が、6か月を待たずに「委託保護」が終了した場合でも、その人が生活保護の要件(資産・収入・扶養等の条件)を満たしていれば、通常の生活保護へ切り替えて保護を継続する必要があります。
具体例
例えば、
- 刑務所等を出所後、更生保護施設に入所
- 更生保護施設で委託保護を受けていた
- 3か月後に委託保護が終了
- しかし収入がなく、住居もなく、生活に困窮している
この場合、
「委託保護が終わったので支援も終了です」
とはならず、
福祉事務所は生活保護の可否を判断し、要件を満たせば
- 生活扶助
- 医療扶助
- その他必要な扶助
を適用して保護を継続します。
福祉事務所の実務
福祉事務所は、
- 本人の生活状況を確認
- 収入・資産調査
- 生活保護の要件を満たすか判断
- 要件を満たせば保護開始(又は継続)
という流れになります。
行政書士としての説明例
「更生保護施設の委託保護が終了しても、それだけを理由に支援が打ち切られるわけではありません。収入や資産がなく生活に困窮している場合は、福祉事務所が生活保護の可否を判断し、要件を満たせば引き続き生活保護を受けることができます。」
つまり、
『委託保護の終了=生活保護終了』ではなく、生活保護の要件を満たすなら通常の生活保護へ移行して支援を継続する、ということです。
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