(Q)非常勤職員や派遣職員は、キャリアパス要件に基づく昇給制度の対象となりますか?

(A)はい。非常勤職員や派遣職員についても、一定の条件を満たせば、キャリアパス要件に基づく昇給制度の対象となります。

ただし、非常勤職員と派遣職員では取扱いが異なります。

① 非常勤職員の場合

非常勤職員も、キャリアパス要件Ⅲに基づく昇給制度の対象となります。

キャリアパス要件Ⅲでは、正社員だけでなく、パート・アルバイトなどの非常勤職員についても、経験・資格・能力評価等に応じた昇給の仕組みを設けることが求められます。

例えば、次のような仕組みが考えられます。

  • 勤続年数に応じて時給を引き上げる。
  • 介護福祉士等の資格取得により時給を引き上げる。
  • 能力評価の結果に応じて時給を引き上げる。
  • 経験や技能に応じて職務手当を増額する。

具体例

非常勤の生活支援員について、

入職時:時給1,200円
勤続3年:時給1,250円
資格取得後:時給1,300円

という昇給制度を設けることが考えられます。

なお、非常勤職員と正社員の給与額や昇給幅を必ず同じにする必要はありません。ただし、雇用形態だけを理由とした不合理な待遇差には注意が必要です。

② 派遣職員の場合

派遣職員についても、処遇改善の対象となり得ますが、昇給制度の整備については注意が必要です。

派遣職員の雇用主は派遣先の障害福祉サービス事業所ではなく、派遣元事業者です。

そのため、派遣先が直接、派遣職員の基本給や時給を決定することは通常できません。

例えば、派遣職員の処遇改善を行う場合には、派遣元事業者と協議して、派遣料金や派遣職員への賃金支払方法を調整することが考えられます。

ただし、派遣職員を処遇改善加算の賃金改善対象に含められることと、派遣先のキャリアパス要件Ⅲにおける昇給制度の対象として取り扱うことは、必ずしも同じではありません。

派遣職員については、派遣元の賃金制度や雇用関係を踏まえた確認が必要です。

③ キャリアパス要件Ⅲで重要なこと

キャリアパス要件Ⅲでは、次の3つのうち、いずれかに応じた昇給の仕組みを設けることが基本です。

  1. 経験に応じた昇給
  2. 資格等に応じた昇給
  3. 一定の基準による評価に応じた昇給

また、昇給の仕組みは、就業規則や給与規程等に明文化し、職員に周知する必要があります。

④ まとめ

職員区分昇給制度の対象注意点
正社員対象経験・資格・評価等に応じた昇給制度を整備
非常勤職員対象時給の引上げ等でも対応可能
パート・アルバイト対象雇用形態に応じた合理的な昇給制度を整備
派遣職員個別確認が必要雇用主である派遣元との調整が必要

結論

非常勤職員やパート職員も、キャリアパス要件Ⅲの昇給制度の対象です。

一方、派遣職員については、派遣先が直接雇用しているわけではないため、派遣元との雇用関係や賃金制度を確認する必要があります。

つまり、「非常勤だから昇給制度の対象外」という取扱いはできませんが、「派遣職員も派遣先の正社員と同じ昇給制度を適用しなければならない」という意味でもありません。

⇓

お問い合わせ先 運営指導・監査対策 神戸市の義足行政書士事務所