(Q1)扶養義務者から、被保護世帯に対して家屋の拡張工事を指定して援助があった場合、この援助金が扶養義務の程度を超えていると認められる場合、収入として認定すべきでしょうか?(Q2)家屋の拡張工事を認めることは可能でしょうか?

(A1)はい。この質問は、生活保護を受けている世帯に対して、親や子どもなどの扶養義務者が「家を増築するために使ってください」と用途を指定してお金を援助した場合、そのお金を収入として扱うのかという質問です。

① 結論

扶養義務者からの援助金であっても、扶養義務の程度を超えると認められる場合には、一定の条件のもとで収入認定しない取扱いが考えられます。

ただし、扶養義務の程度を超えているという理由だけで、必ず収入認定から除外できるわけではありません。

家屋の拡張工事が必要かどうか、援助金が実際に指定された用途に使用されるかなどを確認する必要があります。

② 「扶養義務の程度を超える」とは?

例えば、生活保護を受けているAさんに、別居している息子がいるとします。

息子はAさんの生活を援助する立場にありますが、通常の生活費の援助とは別に、住宅の増築費用として100万円を提供しました。

この場合、100万円という援助が、息子に通常期待される扶養の範囲を超えていると判断されることがあります。

③ 具体例

生活保護を受けているAさんの住宅は、家族が増えたため手狭になっています。

そこで、別居している息子が、

「家を増築する費用として100万円を援助します」

と申し出ました。

この場合、福祉事務所では、主に次の点を確認します。

  1. 援助の目的
    生活費ではなく、家屋の拡張工事に使うことが明確になっているか。
  2. 扶養義務の程度
    援助金が、通常期待される扶養の範囲を超えていると認められるか。
  3. 工事の必要性
    家屋の拡張が、世帯の生活を維持するために必要なものか。
  4. 援助金の使途
    実際に拡張工事に使われることが確認できるか。

これらの事情を踏まえて、収入認定の取扱いを判断します。

④ 注意点

ここで重要なのは、「家屋の拡張工事に使うお金だから、すべて収入認定しなくてよい」というわけではないことです。

例えば、生活上必要な範囲を超えた豪華な増築工事であれば、収入認定から除外することが適切かどうか、慎重な判断が必要です。

また、援助金の一部が工事に使われず、生活費などに回された場合には、その部分の取扱いも問題になります。

⑤ まとめ

この質問を一番簡単にまとめると、

扶養義務者から家屋の拡張工事を目的として援助があり、その金額が扶養義務の程度を超えると認められる場合には、援助の目的や工事の必要性などを確認したうえで、収入認定から除外できる場合があります。

ということです。

ポイントは、扶養義務者から受け取ったお金であっても、その目的や性質によって収入認定の取扱いが異なるということです。

(A2)はい。この質問は、生活保護を受けている世帯が、扶養義務者からの援助金を使って自宅を増築することは認められるのかという質問です。

① 結論

生活保護受給世帯であっても、家屋の拡張工事(増築)が認められる場合があります。

ただし、扶養義務者が費用を負担するからといって、無条件に認められるわけではありません。

世帯の最低生活を維持するうえで、増築が必要かどうかが重要な判断基準になります。

② どのような場合に認められる可能性がありますか?

例えば、次のような場合です。

  • 家族が増えて、現在の住居が著しく手狭になっている。
  • 障害のある家族の生活に必要な居住空間を確保する必要がある。
  • 介護を受けるために、現在の住宅では十分な生活空間が確保できない。
  • その他、生活上やむを得ない事情がある。

このような事情があり、工事の内容や費用が必要かつ合理的な範囲であれば、認められる余地があります。

③ 具体例

生活保護を受けているAさんは、家族4人で小さな住宅に住んでいます。

現在の住宅では生活空間が不足しているため、別居している息子が100万円を援助し、部屋を増築することになりました。

この場合、福祉事務所では、主に次の点を確認します。

  1. 増築しなければ生活に支障があるのか。
  2. 増築の規模は必要最小限なのか。
  3. 工事費用は適正なのか。
  4. 扶養義務者からの援助金は、増築のために使用されるのか。
  5. 増築後も、住宅の保有が生活保護制度上認められる状態なのか。

これらを確認したうえで判断することになります。

④ 特に注意すること

家屋の拡張工事が認められることと、その費用が生活保護費から支給されることは別の問題です。

今回の質問は、扶養義務者が工事費用を援助する場合です。

そのため、生活保護費から増築費用が支給されるという意味ではありません。

また、増築によって住宅の資産価値が大きく上昇する場合には、資産保有の観点からも検討が必要になります。

⑤ まとめ

この質問を簡単にまとめると、

生活保護受給世帯であっても、家族構成や障害、介護などの事情から家屋の拡張が必要であり、工事の内容や費用が合理的な範囲であれば、扶養義務者からの援助金を使った増築が認められる場合があります。

ということです。

ただし、扶養義務の程度を超える援助金であることだけを理由に、増築工事が認められるわけではありません。 福祉事務所による個別の判断が必要です。

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記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所