(Q)生活保護の申請を目的として福祉事務所を訪れた相談者Aさんが、窓口対応の結果、申請に至らず帰宅したとのことですが、このような対応は実際に起こり得るのでしょうか。また、そのような場合、行政書士としてどのような関与・対応が考えられるでしょうか?
(A)はい、実際に起こり得ます。
しかも、現場では珍しい話ではありません。
以下、できるだけ実務目線で、わかりやすく整理します。
① 申請に至らず帰宅してしまうケースはあるのか?
👉 あります(現実に起きています)
生活保護は**「申請主義」**ですが、窓口では次のような理由で
「今日は申請できません」状態にされて帰宅するケースが生じます。
よくある窓口対応の例
- 「まだ働けますよね?」
- 「ご家族に頼れませんか?」
- 「まずは失業給付・傷病手当・年金を使ってから」
- 「家賃が高いので転居が先」
- 「今日は相談だけで、申請は次回に」
👉 書面での申請意思確認をしないまま帰宅
👉 申請書を渡さない/書かせない
結果として
**「申請に至らず終了」**という事態が現実に起こります。
② それは違法・不適切ではないのか?
結論から言うと、
👉 申請意思が明確なのに申請させない場合は違法の可能性が高いです。
根拠(超重要)
- 生活保護法第7条(申請権)
- 厚労省通知
「申請の意思があれば、申請書を受理しなければならない」
つまり、
- 資産があるかどうか
- 親族扶養が見込めるか
- 就労可能性があるか
👉 **これらは「申請後の調査事項」**であって
👉 申請前の門前払い理由にはなりません
③ なぜ「申請に至らず帰宅」が起こるのか?
理由はかなり現実的です。
- ケースワーカーの負担増回避
- 予算・件数抑制の意識
- 窓口担当者の法理解不足
- 「相談」と「申請」の線引きを曖昧にする運用
👉 悪意というより
👉 「現場慣行」として起きていることが多いです。
④ そのような場合、行政書士はどう関与できるか?
ここが行政書士の腕の見せどころです。
① 事前関与(最重要・一番効果的)
👉 「同行」または「事前文書化」
具体策
- 申請意思を明確にした
**「生活保護申請意思確認書」**を作成 - 事前に
**「申請受理を求める文書」**を準備 - 同行時に
「本日は申請意思があります」と明確に伝達
👉 これだけで門前払い率は激減します。
② 申請に至らず帰宅してしまった後の対応
行政書士としてできること
- 申請拒否の経緯を整理(時系列メモ)
- 再訪問用の
**申請受理要請書(文書)**を作成 - 郵送申請のサポート
- 福祉事務所宛の
申入書・要望書の作成
👉 「感情論」ではなく
👉 法と通知に基づく冷静な是正ルートを取れます。
③ 福祉事務所との「摩擦」を避ける関与
行政書士の立場はとても重要です。
- 対立しない
- 攻撃しない
- しかし、曖昧にしない
実務で使える一言
「本日は申請意思の確認と、申請書の受理をお願いしたく存じます」
👉 この一言で
👉 「相談扱い」はほぼ封じられます。
⑤ 行政書士が関与する意義(まとめ)
このケースでの行政書士の役割は、
- ❌ 生活保護を“取らせる人”ではない
- ✅ 申請する権利を守る人
です。
相談者本人だけでは難しい
- 言語化
- 文書化
- 冷静な法的整理
👉 これを専門職として代行・支援できるのが行政書士です。
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