(Q1)人工内耳装用児支援加算を算定する場合、どのような人員配置が求められますか?(Q2)言語聴覚士が4名以上配置されている場合、人工内耳装用児支援加算の人員要件を満たすことは可能ですか?

(A1)結論

人工内耳装用児支援加算を算定するには、言語聴覚士(ST)の配置が重要な要件です。

ただし、加算(Ⅰ)と加算(Ⅱ)で配置要件が異なります。

  • 人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)
    → 児童発達支援センターが対象で、言語聴覚士を1人以上、基準人員に加えて加配し、常勤換算で1.0以上配置する必要があります。
  • 人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)
    → 児童発達支援センター・児童発達支援事業所等が対象で、言語聴覚士を1人以上配置すればよく、常勤換算1.0は求められません。

① 人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)

加算(Ⅰ)は、より専門的・中核的な支援体制を評価するものです。

主な人員要件は、

通常の人員基準に必要な職員とは別に、言語聴覚士を常勤換算で1.0人以上加配すること

です。

例えば、

  • 常勤ST 1人 → ○
  • 非常勤ST 2人を合わせて常勤換算1.0 → ○
  • 非常勤STを配置しているが常勤換算0.5 → ×

という考え方です。

なお、旧来から主として難聴児を支援してきた一定の児童発達支援センターには、経過措置として、基準人員として配置しているSTでもよい場合があります。

② 人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)

加算(Ⅱ)では、

言語聴覚士を1人以上配置すること

が必要です。

こちらは、常勤換算1.0以上である必要はありません。 非常勤や短時間勤務のSTでも可能です。

ただし重要なのは、対象児童が利用している日に、その支援に関われる配置になっていることです。

こども家庭庁Q&Aでは、

対象となる人工内耳装用児が利用する日およびサービス提供時間帯にSTが配置されていれば、勤務形態や勤務日数を問わず算定可能

とされています。

具体例

たとえば、STが週2日だけ勤務している事業所で、

  • 月・火:ST不在
  • 水・金:ST勤務

だったとします。

人工内耳装用児Aさんが水曜日に利用し、その時間帯にSTが配置されていれば、加算(Ⅱ)の人員配置要件を満たすことが可能です。

一方、Aさんが月曜日に利用し、その時間帯にSTがいない場合は、その日はこの要件を満たしません。

STを置くだけでは足りません

人工内耳装用児支援加算は、単にSTを配置すれば算定できるものではありません。

STが、

  • 人工内耳装用児の状態を評価する
  • 聞こえ方やコミュニケーション上の配慮を把握する
  • 児童発達支援管理責任者と連携する
  • 必要な支援内容を個別支援計画に位置付ける
  • その計画に基づいて専門的支援を行う

ことが必要です。

さらに、主治医または眼科・耳鼻咽喉科の医療機関との連携体制も求められます。

まとめ

人員配置だけを簡単に整理すると、

加算言語聴覚士の配置
人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)常勤換算1.0以上を加配
人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)1人以上配置。常勤換算要件なし

したがって、覚え方は、

(Ⅰ)は「STを常勤換算1.0以上加配」
(Ⅱ)は「対象児の利用時間帯にSTが1人以上いれば可」

です。

なお、(Ⅰ)は児童発達支援センターのみが対象で、聴力検査室の設置や医療機関との連携、地域への相談援助等の要件もあります。

(A2)結論

はい。言語聴覚士(ST)が4名以上配置されている場合でも、人工内耳装用児支援加算の人員要件を満たすことは可能です。

ただし、重要なのは単純に「STが4名いるか」ではありません。現在の人工内耳装用児支援加算では、(Ⅰ)と(Ⅱ)で必要な配置要件が異なります。

人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)の場合

児童発達支援センターが算定する加算(Ⅰ)では、

通常の人員基準に必要な員数に加えて、言語聴覚士を「常勤換算で1.0以上」配置する

ことが必要です。

したがって、STが4名いても、その4名のすべてが自動的に「加配」として評価されるわけではありません。

例えば、

  • 基準人員として必要なST:3名
  • 実際に配置しているST:4名
  • そのうち基準を超える1名が常勤換算1.0

という状態であれば、「1以上の加配」という人員要件を満たすことができます。

一方、

STが4名配置されていても、4名すべてが通常の人員基準を満たすために必要な職員

という場合は、原則として「基準人員に加えて1以上」という要件を満たしたことにはなりません。

なお、旧来から主として難聴児を支援してきた一定の児童発達支援センターには、経過的な取扱いがあります。

人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)の場合

こちらはもっとシンプルです。

加算(Ⅱ)は、

言語聴覚士を1人以上配置

していればよく、常勤換算1.0以上という条件はありません。

したがって、STが4名配置されているのであれば、人数だけを見れば十分です。

ただし、対象となる人工内耳装用児が利用する日・サービス提供時間帯にSTが配置されていることが必要です。勤務形態や勤務日数自体は問いません。

「4名以上」という旧要件との違いに注意

ここは混同しやすいところです。

令和6年度報酬改定以前の人工内耳装用児支援加算では、「主として難聴児を支援する児童発達支援センター」で、言語聴覚士4名以上などの要件がありました。

令和6年度改定で制度が見直され、現在は、

加算STの主な配置要件
人工内耳装用児支援加算(Ⅰ)基準人員に加えて常勤換算1.0以上
人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)1人以上(常勤換算不要)

となっています。

したがって、

「STが4名以上いるから(Ⅰ)を算定できる」と判断するのではなく、そのうち基準人員を超えて常勤換算1.0以上を加配できているかを確認する

ことが重要です。

また、人員要件だけでなく、(Ⅰ)では聴力検査室、医療機関との連携、個別支援計画への位置付け、地域の関係機関への相談援助・研修等の要件も満たす必要があります。

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