(Q1)世帯分離を行った場合、分離した世帯が保護を要しないと判断された場合には、どのような取り扱いがなされますか?(例:分離により保護を要しないとした者(世帯)については、どのように継続的な収入等の把握が行われるのでしょうか?)(Q2)世帯分離要件が確認できない場合には、どのような対応が必要ですか?(例:要件が確認できない場合の具体的な手続きや留意点は何ですか?)

(A1)結論

世帯分離によって「保護を要しない」とされた人(世帯)についても、その後まったく確認しなくてよいわけではありません。

福祉事務所は、収入・資産などの状況を継続的に把握し、世帯分離の要件を現在も満たしているか、少なくとも毎年1回は検討する必要があります。 厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」に明記されています。

何を継続的に確認するのか

福祉事務所は、分離によって保護を受けなくなった人・世帯について、主に収入の状況、資産の状況、就学の状況、世帯構成、地域の生活実態との均衡、世帯分離による効果などを確認します。

例えば、「収入のある成人した子を世帯分離し、親だけが生活保護を受けている」というケースなら、子の収入や生活状況などに変化がないかを確認し、現在でも世帯分離を続ける要件があるかを判断します。

少なくとも年1回は見直す

ここが重要です。

世帯分離は一度認めれば永久に有効になる制度ではありません。そのため、

世帯分離を実施 → 分離した人・世帯の収入・資産等を継続的に把握 → 少なくとも年1回、分離要件を再確認 → 要件がなくなれば世帯分離を解除

という管理が必要になります。

分離した人が収入申告等に協力しない場合

この場合についても、厚生労働省の問答に明確な取扱いがあります。

福祉事務所が世帯分離の要件を確認するため、収入等の届出を再三求めたにもかかわらず、分離された人が協力せず、分離要件を満たしているか確認できない場合には、世帯単位の原則に戻り、同一世帯として認定すべきとされています。

つまり、

「資料を出してくれないから、以前の世帯分離をそのまま継続する」という取扱いにはしない

ということです。

世帯分離はあくまで「一定の要件を満たしている」と福祉事務所が判断できることを前提とした例外的な取扱いだからです。生活保護自体が原則として世帯単位で行われる制度であることも、この考え方の基礎になっています。

要件を満たさなくなったら

収入・資産・世帯構成などの変化によって世帯分離の要件を満たさなくなった場合は、世帯分離を解除し、改めて同一世帯として認定します。

そのうえで世帯全体について、最低生活費と収入等を計算し直し、保護が必要か、必要ならいくら必要か(保護の要否・程度)を再判定します。

したがって、簡単にまとめると、**「世帯分離によって保護対象外になった人も放置するのではなく、収入・資産・就学・世帯構成等を継続的に把握し、最低でも年1回は世帯分離を続けてよいか確認する。確認できない、または要件がなくなった場合は、原則に戻って同一世帯として認定する」**という取扱いになります。

(A2)結論

世帯分離の要件を確認できない場合は、そのまま世帯分離を継続することはできません。

特に、世帯分離によって保護を受けていない人に収入等の届出を繰り返し求めても提出されず、分離要件を確認できない場合、厚生労働省の問答では、世帯単位の原則に戻り、その人を同一世帯として認定すべきと明確にされています。

具体的な手続き

基本的には、次の順序で対応します。

  1. まず必要な調査を行う
    福祉事務所は、分離された人の収入・資産・就学状況・世帯構成など、世帯分離の要件を確認するために必要な資料の提出を求めます。世帯分離については、少なくとも年1回は要件を満たしているか検討する必要があります。
  2. 再三、届出・資料提出を求める
    例えば給与明細、収入申告に必要な資料などの提出を求めても、分離された人が協力せず、要件を確認できない状態が続く場合があります。
  3. 世帯分離を解除する
    必要な調査をしても要件を確認できない場合は、例外的な世帯分離を維持する前提がなくなるため、世帯分離を解除します。
  4. 同一世帯として変更決定する
    分離していた人を、保護を受けている人と同一世帯として認定する変更決定を行います。生活保護では「同一の住居に居住し、生計を一にしている者は原則として同一世帯」とする世帯単位の原則が基本だからです。
  5. 改めて必要資料の提出を求める
    同一世帯として認定したうえで、世帯全体の収入・資産等を把握するため、再度必要な資料等の提出を求めます。
  6. それでも指示に従わない場合
    必要な手続きを経たうえで、保護の停止・廃止を検討することになります。厚生労働省の問答でも、この順序が示されています。

なぜ「確認できない=世帯分離解除」なのか

世帯分離は、生活保護の通常のルールではなく、一定の要件を満たした場合にだけ認められる例外だからです。局長通知にも具体的な世帯分離要件が定められています。

したがって、

「要件を満たしていないことが証明された場合」だけでなく、「調査しても要件を満たしていることを確認できない場合」も、例外的な世帯分離を維持できない

という考え方になります。

重要なのは、資料が出ないから直ちに生活保護を廃止する、という手順ではないことです。

資料提出等を求める → 分離要件を確認できない → 世帯分離を解除 → 同一世帯として変更決定 → 改めて必要資料を求める → なお指示に従わない場合に所要の手続きを経て停止・廃止を検討する、という順序で対応するのがポイントです。

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