(Q3)普通教育科目を含む教育課程で、修業年限や就業時数に関してどのような基準がありますか?(Q4)被保護世帯の自立助長の観点から、どのような場合に高等学校等での就学と同程度の効果が期待されると判断されますか?
(A3)結論
生活保護制度で、専修学校・各種学校を**「高等学校又は高等専門学校での就学に準ずるもの」**として扱うための教育課程については、次の基準が示されています。
① 修業年限が3年以上であること
② 普通教育科目を含む授業(就業)時間数が、おおむね年間800時間以上であること
厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第1の問7に明記されています。
「普通教育科目を含む」とは?
職業訓練や専門科目だけを学ぶ課程ではなく、高校教育に準じた普通教育科目も教育課程に含まれていることがポイントです。
したがって、例えば3年間の専修学校で、普通教育科目と専門科目を合わせた教育課程が年間おおむね800時間以上であれば、この客観的な要件を満たすことになります。
ただし、
「3年以上」+「年間おおむね800時間以上」だけで、自動的に認定されるわけではありません。
本人の就学意欲・能力・健康状態等も確認し、その学校への就学によって、被保護世帯の自立助長について高校等への就学と同程度の効果が期待できるかを福祉事務所が判断します。
具体例
たとえば、
3年制の専修学校 + 年間900時間の教育課程 + 普通教育科目を含む
という学校で、本人にも就学意欲・能力があり、卒業することが将来の就労や自立につながると認められる場合は、**「高等学校等での就学に準ずるもの」**として認定される可能性があります。
逆に、修業年限が2年しかない場合や、年間の授業時間がおおむね800時間に達しない場合は、この基準には該当しません。
要するに、**「3年以上の課程」+「普通教育科目を含め年間おおむね800時間以上」+「本人について高校等と同程度の自立助長効果が期待できる」**という3点で考えると分かりやすいです。
(A4)結論
「高等学校等での就学と同程度の効果が期待できるか」は、その学校に通うことが、本人の将来の就労・収入の増加や、被保護世帯の自立につながると合理的に見込めるかという観点から判断します。
厚生労働省の問答では、専修学校・各種学校について、教育課程の条件に加えて、「就学する者の意欲、能力、健康状態等」から判断することが示されています。
具体的に何を見るのか
例えば、次のような事情を総合的に確認します。
- 本人に就学する意思・意欲があるか
- その教育課程を履修・修了できる能力があるか
- 健康状態からみて継続して通学できるか
- 学校で学ぶ内容が、将来の就職や職業能力の向上につながるか
- 卒業・修了によって、資格取得や就職の選択肢が広がるなど、収入増加や自立につながる見込みがあるか
- 結果として、被保護世帯の自立助長に高校等への就学と同程度の効果が期待できるか
生活保護制度では、高等学校等への就学そのものについても、「就学し卒業することが世帯の自立助長に効果的」と認められる場合に、高等学校等就学費を認定する仕組みになっています。
例えば
中学校を卒業した子どもが3年制の専修学校に進学し、普通教育科目と専門的な職業教育を受けるケースを考えます。
本人に十分な就学意欲があり、教育課程を修了できる能力・健康状態があり、卒業によって就職や資格取得につながる可能性が高いのであれば、
「高校に進学して卒業する場合と同じように、本人・世帯の将来の自立に役立つ」
と判断できる可能性があります。
逆に、学校が形式的に「3年以上・年間おおむね800時間以上」という教育課程の要件を満たしていても、本人に就学意思がない、継続的な就学が現実的に見込めない、といった事情があれば、形式的条件だけで自動的に認めるものではありません。
したがって、簡単に言えば、「学校の教育課程が高校相当か」という客観的条件と、「本人が実際にそこで学び、卒業・就職等につなげられるか」という本人側の条件の両方を確認して、自立助長の効果を判断するということです。
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