(Q1)国立の小学校または中学校への就学は認められますか?(Q2)私立の小学校または中学校への就学は認められますか?

(A1)結論

はい。生活保護を受けている世帯の児童・生徒が、国立の小学校または中学校へ就学すること自体は認められます。

厚生労働省の生活保護問答集には、まさに**「国立学校等への就学の可否及び教育扶助の範囲」**という問が設けられ、国立の小学校等・中学校等への就学について取扱いが示されています。

ポイントは、「国立だから生活保護世帯の子どもは通えない」という取扱いではないということです。

ただし、就学が認められることと、国立学校へ通うことで発生する費用がすべて教育扶助から支給されることは別問題です。

生活保護法上の教育扶助は、義務教育に必要な学用品、通学用品、学校給食などを対象としています。現行の教育扶助基準でも、小学校等・中学校等について、基準額のほか、正規の教材、学校給食費、必要最小限度の通学交通費、学習支援費などが定められています。

例えば、生活保護世帯の子どもが国立大学附属小学校・中学校に合格した場合、「生活保護を受けているから国立学校への進学は認めない」とするものではありません。

一方、その学校を選択したことによって特別に高額な費用が発生する場合には、その費用まで教育扶助として認定できるかは、教育扶助の支給基準に照らして個別に判断する必要があります。

したがって、簡単に整理すると、

国立小・中学校への就学 → 認められる
教育扶助 → 基準に定められた範囲で認定
国立学校を選んだことで生じる費用がすべて自動的に支給される → そうではない

という取扱いです。

なお、現在の生活保護基準では、通学交通費については**「通学に必要な最小限度の額」**とされていますので、国立学校への遠距離通学などの場合には、この点も含めて福祉事務所が必要性を判断することになります。

(A2)結論

はい。生活保護世帯の児童・生徒が私立の小学校・中学校に就学すること自体は、直ちに禁止されるものではありません。

ただし、重要なのは、「私立学校への就学を続けられること」と「私立学校にかかる費用を生活保護からすべて支給してもらえること」は別問題だという点です。

生活保護法の教育扶助は、義務教育に伴って必要となる学用品・通学用品・学校給食などを保障する制度です。

私立だから授業料まで教育扶助で出るわけではない

例えば、生活保護世帯の子どもが私立中学校に通っており、授業料や施設設備費などが必要になったとしても、

「私立中学校に通っているから、その授業料等を教育扶助として追加支給する」

という仕組みではありません。

教育扶助として認定できるのは、生活保護の基準・実施要領で定められている範囲です。現在の教育扶助には、基準額のほか、正規の教材代、学校給食費、必要最小限度の通学交通費、学習支援費などがあります。

したがって、私立学校独自の高額な授業料や施設費等については、教育扶助の基準を超えて当然に追加支給されるものではないと考える必要があります。

実際には「どうやって費用を賄うのか」も重要

例えば、奨学金、学校独自の授業料減免制度、親族等からの援助などによって、教育扶助の範囲を超える私立学校の費用を賄える場合があります。

そのため福祉事務所としては、単に「私立だから就学不可」と判断するのではなく、教育扶助を超える費用をどのように負担するのか、それによって世帯の最低生活が圧迫されないかなどを確認することが重要になります。

厚生労働省も、生活保護の教育扶助について「義務教育を受けるために必要な学用品費等」を、定められた基準額等によって支給する制度としています。

国立学校との違いにも注意

前のご質問の国立小・中学校と同じように、

私立小・中学校への就学そのものと、その学校に通うことで生じる特別な費用を生活保護で負担することは分けて考える必要があります。

簡単にまとめると、

私立小・中学校への就学 → それ自体が直ちに禁止されるわけではない
通常の教育扶助 → 基準に従って認定
私立学校独自の授業料・施設費等 → 教育扶助から当然に追加支給されるものではない

という整理になります。

特に実務では、私立学校への就学を理由に教育扶助そのものが全部支給されなくなる、という意味でもありません。「どの費用が教育扶助の対象なのか」を一つずつ区別して判断することが大切です。

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