(Q3)選定目安額を算出する際に考慮すべき具体的な世帯モデルや補正要素には何がありますか?(Q4)選定目安額は、保護の要否を決定する基準と同じですか?それとも異なりますか?
(A3)選定目安額を算出する際は、厚生労働省の課長通知・問15に基づき、まず標準となる3人世帯の最低生活費をモデルにして、おおよそ10年分を基礎額とし、そこに地域事情による補正を加えるという考え方です。
具体的な世帯モデルは、その実施機関の管内における最上位級地の「30歳代の者+20歳代の者の夫婦+4歳の子」の3人世帯です。この3人世帯について、①生活扶助基準額と、②住宅扶助特別基準額を合計し、その額におおよそ10年を乗じます。
イメージとしては、
(3人世帯の生活扶助基準額 + 住宅扶助特別基準額)× 約10年
という計算をまず行います。
そのうえで、この金額を機械的に採用するのではなく、地域の実情に合わせて補正します。厚生労働省が具体的に挙げている補正要素は、土地・家屋を保有している一般低所得世帯の状況、周辺地域住民の意識、その地域の持ち家状況などです。
例えば、地域によっては住宅価格が高く、低所得世帯でも比較的評価額の高い自宅を所有していることがあります。逆に、地価が低く持ち家の評価額も低い地域もあります。そのため、全国一律の金額ではなく、こうした地域の住宅事情や社会的な実態を反映して調整する仕組みになっています。
また、通知上はこの算式だけに限定されておらず、**「その他地域の事情に応じた適切な方法」**で選定目安額を算出することも認められています。つまり、自治体が合理的な根拠を持って地域の実情に合った算定方法を採用することも可能です。
簡単に整理すると、選定目安額は、
標準モデル
「30歳代+20歳代の夫婦+4歳児」の3人世帯
基礎となる費用
「生活扶助基準額+住宅扶助特別基準額」
期間
おおよそ10年分
主な補正要素
「一般低所得世帯の土地・家屋保有状況」「周辺住民の意識」「地域の持ち家状況」「その他の地域事情」
という構成で算出します。
そして最も重要なのは、選定目安額は「この不動産をケース診断会議等で検討するかどうか」の目安にすぎず、生活保護を受けられるかどうかや、自宅を売却しなければならないかを直接決める基準ではないという点です。厚生労働省も明確に「保護の要否の決定基準ではない」としています。
(A4)異なります。
「選定目安額」は、生活保護を受けられるかどうかを直接決める基準ではなく、保有している土地・家屋について、ケース診断会議等で詳しく検討する必要があるかを選定するための目安です。厚生労働省も、選定目安額は保護の要否の決定基準そのものではないという整理をしています。
たとえば、自宅の評価額が選定目安額を超えていたとしても、それだけで直ちに「生活保護を受けられない」「自宅を売却しなければならない」と決まるわけではありません。実際には、その不動産の処分価値、利用価値、居住の必要性、世帯の状況などを踏まえて、ケース診断会議等で総合的に検討されます。
一方、保護の要否判定は別の仕組みです。原則として、世帯について認定した最低生活費と収入充当額を比較して判断します。最低生活費に対して収入が不足していれば、その不足分について保護が必要かどうかが判断されます。
つまり、整理すると、
選定目安額
→「この不動産をケース診断会議等で詳しく検討すべきか」を判断するための目安
保護の要否判定
→「その世帯が実際に生活保護を必要としているか」を、最低生活費と収入等を基に判断するもの
という違いです。
したがって、質問への答えを一言でいうと、**「選定目安額と保護の要否決定基準は同じではありません。選定目安額を超えたことだけを理由に、保護を却下・廃止したり、自宅の処分を直ちに求めたりするものではありません。」**という理解で大丈夫です。
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