(Q3)経過的サービス費の給付に関する最新の変更点や注意点は何ですか?

(A3)最新の変更点で一番重要なのは、18歳以上の人に「経過的生活介護サービス費」「経過的施設入所支援サービス費」を支給しながら障害児入所施設に残ってもらう旧来の仕組みから、本人に合った成人期の生活への「移行支援」を計画的に進める仕組みへ制度の重点が移ったことです。

従来は、18歳になっても移行先が決まらない人について、福祉型障害児入所施設を成人向け施設と「みなして」、経過的サービス費を支給する特例が使われていました。しかし、この仕組みは、本来成人向けの基準を満たしていない児童施設を成人施設とみなす暫定措置であり、長期間続けることには課題があるとされてきました。厚生労働省も、経過的サービス費について、移行先が決まらないまま退所を迫られないための暫定的な仕組みだったと整理しています。

現在の大きな変更点

令和6年4月施行の改正児童福祉法等によって、障害児入所施設から成人期への移行について新しい枠組みが整備されました。

特に重要なのは、移行調整の責任主体が都道府県・指定都市であることが明確になったことです。施設だけに「成人施設を探してください」と任せるのではなく、都道府県・指定都市が中心となり、市町村、相談支援事業所、障害者支援施設、グループホーム、医療機関などと連携して移行先を調整することが求められるようになりました。

また、障害児入所施設には、成人期を見据えた**「移行支援計画」**を作成し、本人の希望や障害特性、生活能力、家族状況などを踏まえて、どこでどのような生活を目指すのかを早い段階から検討することが重視されています。令和6年度報酬改定でも、この移行支援に関する取組が制度上評価されるようになっています。

「18歳になったら必ず退所」ではない

ここも重要な注意点です。

現在も、

18歳到達 = 即退所

という制度ではありません。

成人期への移行には時間が必要な場合があるため、一定の条件を満たす場合には、20歳まで障害児入所施設で支援を継続でき、さらに特に移行が困難なケースでは23歳に達するまで入所を継続できる制度が設けられています。

23歳までの延長が想定されているのは、例えば、強度行動障害などにより自傷・他害等の著しい行動上の困難があり、短期間で移行先を確保することが難しい場合や、比較的高い年齢で障害児入所施設への入所を開始したため、20歳まででは移行準備の期間が十分でないと認められる場合などです。

ただし、これは**「23歳まで自由に施設に残れる」という意味ではありません。** 本人の状況を踏まえて、成人期への移行に必要な期間として認められることが前提です。

現在の実務上の注意点

したがって、現在の障害児入所施設では、

「18歳になったので経過的サービス費を請求すればよい」

という考え方ではなく、

「成人期にどこで、どのような生活をするのかを計画し、そのための移行支援を行う」

ことが中心になっています。

例えば、

福祉型障害児入所施設

障害者支援施設

グループホーム

一人暮らし+居宅介護・重度訪問介護

など、本人の状態や希望に応じた成人期の生活を検討します。

その際には、単に空いている施設を探すのではなく、本人の意思・障害特性・医療的ケア・強度行動障害への対応・家族との関係・地域生活の可能性などを総合的に検討することが重要です。現在のこども家庭庁の検討でも、成人期への移行支援の強化が引き続き重要課題として扱われています。

まとめ

非常に簡単に整理すると、

旧制度
「18歳になったが移行先がない」
→ 障害児施設を成人施設とみなす
→ 経過的生活介護・経過的施設入所支援サービス費で対応

という仕組みでした。

現在は、

「18歳になる前から成人期への移行を計画する」
→ 施設が移行支援計画を作成
→ 都道府県・指定都市が移行調整に関与
→ 成人向けサービス・地域生活への移行を進める
→ やむを得ず時間が必要な場合は、一定の要件のもと20歳、特に必要な場合には23歳まで入所継続

という方向に変わっています。

したがって、現在の制度を確認するときに、古い資料にある「経過的サービス費」の規定だけを見て判断しないことが最大の注意点です。令和6年4月以降は、改正児童福祉法に基づく移行支援・入所継続の仕組みも併せて確認する必要があります。

必要でしたら次に、「20歳まで継続できる場合」と「23歳まで延長できる場合」の具体的な要件の違いを、表にしてわかりやすく整理します。

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