(Q3)相談支援の業務とは具体的にどのようなものですか?(Q4)その他、障害児支援員の特別加算に関連する要件や注意点は何ですか?

(A3)結論

訪問支援員特別加算の実務経験でいう**「相談支援の業務」**とは、簡単にいうと、

障害児本人や保護者などから相談を受け、児童の状況や困りごとを把握し、必要な支援について助言したり、関係機関との連絡・調整を行ったりする業務

です。

「相談に乗ったことがある」という程度ではなく、障害児やその家族の支援につなげるための専門的な相談援助業務であることがポイントです。

具体的には

例えば、次のような業務が考えられます。

  • 本人・保護者からの相談対応
    発達、行動、生活、学校生活、家庭での困りごとなどを聞き取り、必要な助言を行う。
  • アセスメント
    本人の障害特性、発達状況、家庭環境、学校・保育所での状況などを把握し、どのような支援が必要なのか整理する。
  • 支援方法の提案・助言
    「家庭ではこのような関わり方をしてみましょう」「学校ではこのような環境調整が考えられます」といった具体的な助言を行う。
  • サービス利用に関する相談
    児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援など、本人に必要なサービスについて説明・調整する。
  • 関係機関との連絡・調整
    保育所、幼稚園、学校、医療機関、児童相談所、市町村、障害児通所支援事業所などと情報共有し、支援方針を調整する。
  • 支援計画の作成・モニタリング
    本人・家族の希望や課題を踏まえて支援計画を作成し、その後の状況を確認して必要に応じて見直す。

「直接支援」との違い

例えば、放課後等デイサービスで児童本人に対して、着替え、食事、コミュニケーション、集団活動などを支援するのは**「直接支援」**です。

一方、

保護者から相談を受ける

児童の課題を整理する

学校や事業所と情報共有する

必要なサービス・支援方法を検討する

という仕事は**「相談支援」**に当たります。

つまり、

直接支援=児童本人への具体的な支援
相談支援=本人・家族の相談を受け、必要な支援につなげる仕事

と考えると分かりやすいです。

どのような職場での経験が考えられる?

典型的には、障害児相談支援事業所で相談支援専門員として行う相談援助などが考えられます。

ただし、訪問支援員特別加算の経験年数については、単に「相談業務」という名称が付いていれば何でも対象になるわけではありません。

重要なのは、障害児に関する相談支援として、実際にどのような業務を行っていたかです。こども家庭庁の留意事項でも、一定の資格・職種について「障害児に対する直接支援又は相談支援等の業務」に従事した期間を経験年数として評価する仕組みになっています。 こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定」

注意したいケース

例えば、

電話の取次ぎだけ、一般的な受付業務だけ、請求事務だけ、単なる事業所案内だけ

といった業務は、通常、それだけで「障害児に対する相談支援の業務」とするのは難しいでしょう。

一方、

保護者との面談 → ニーズの把握 → 支援方法の助言 → 学校・医療機関等との調整 → 支援状況の確認

まで行っているのであれば、相談支援として評価される可能性が高くなります。

まとめ

一番簡単にいうと、

相談支援とは、「話を聞くだけ」ではなく、障害児本人や家族の困りごと・希望を把握し、必要な支援を考え、助言し、サービスや学校・医療機関などにつなぎ、継続的に調整する仕事」です。

訪問支援員特別加算の実務経験を証明する場合には、「相談業務に従事」とだけ記載するより、「障害児・保護者への相談援助、アセスメント、支援計画作成、関係機関との連絡調整等に従事」と具体的に記載してもらう方が、業務内容を確認しやすくなります。

(A4)ご質問の「障害児支援員の特別加算」は、これまでの流れから、**居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援の「訪問支援員特別加算」**として説明します。令和6年度改定では、経験年数などに応じて加算区分が設けられています。

特に注意したい点は、次のとおりです。

  • 単に資格を持っているだけでは足りません。
    対象となる職種・資格で配置された後の実務経験が基本となり、資格取得前や、その職種として配置される前の経験は原則として経験年数に含めません。
  • 障害児への直接支援・相談支援などの実務経験が必要です。
    児童発達支援や放課後等デイサービスだけに限定されず、医療機関、教育現場、保育所、訪問看護などで、障害児や医療的ケア児に対して実際に支援していた経験も対象になり得ます。こども家庭庁Q&Aでも、保育所や訪問看護での障害児・医療的ケア児への業務経験は「含まれる」とされています。
  • 勤務年数だけでなく、実際の勤務日数も確認されます。
    Q&Aでは、通常の実務経験については、雇用形態や1日の勤務時間数を問わない一方、1年間に180日以上勤務していることが一つの目安とされています。したがって、「5年間在籍していた」というだけで、自動的に5年の経験になるわけではありません。
  • 保育所等訪問支援そのものの経験を使う場合は、訪問実績にも注意します。
    保育所等訪問支援等の業務経験については、巡回支援専門員や療育等支援事業など、地域の保育所・障害児通所支援事業所等に助言・援助を行う業務も含まれ得ます。一方、その経験については、実際に訪問支援を行った日が年間60日以上あることが想定されています。
  • 経験年数の証明が重要です。
    加算を届け出る際には、勤務先・勤務期間・職種・業務内容などから、対象となる実務経験を確認できるようにしておく必要があります。特に実務経験証明書には、単に「保育士」「看護師」などと記載するだけではなく、「障害児・医療的ケア児に対する直接支援」「相談支援」など、どのような業務を行っていたかが分かるようにすることが実務上重要です。これは、経験年数に算入できる業務かどうかを判断するためです。

また、訪問支援員特別加算は、要件を満たす職員を名簿上配置するだけではなく、その職員が実際に対象児童に対して訪問支援を行った場合に算定する加算です。令和6年度改定では、経験年数に応じて(Ⅰ)・(Ⅱ)に区分して評価する仕組みとなっています。

簡単にまとめると、

「資格がある」+「必要な年数の障害児支援経験がある」+「その経験を証明できる」+「実際にその職員が訪問支援を行う」

という4点を確認するのがポイントです。

特に間違いやすいのは、①在籍年数=経験年数ではない、②資格取得前の経験をそのまま算入できるとは限らない、③保育所・病院・訪問看護等の経験でも内容次第で算入できる、④実務経験証明書の「業務内容」が重要という点です。

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