(Q1)家族支援加算について家族支援加算とはどのようなものですか?(Q2)個別支援計画作成後のモニタリングに関して個別支援計画作成後のモニタリングにおいて、保護者との面談も算定対象となりますか?
(A1)「家族支援加算」とは、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児支援において、こども本人への支援だけでなく、その家族に対して相談・助言などの支援を行った場合に、事業所が算定できる加算です。
令和6年度報酬改定で従来の「家庭連携加算」「事業所内相談支援加算」が見直され、家族支援をより幅広く評価する仕組みとして整理されました。現在は、個別支援の**家族支援加算(Ⅰ)と、複数家族を対象とする家族支援加算(Ⅱ)**に分かれています。
1.何のための加算なのか
目的は、保護者などが抱えている「家庭でどう接すればいいのか」「癇癪が起きたときどう対応すればいいのか」「きょうだいとの関係をどうしたらいいか」といった悩みに対して、事業所の職員が専門的な立場から相談援助を行うことです。
対象となる「家族」には、父母だけでなく、きょうだいも含まれます。
たとえば、放課後等デイサービスを利用している児童について、職員が保護者と面談して、
「最近、家庭でパニックが増えている」
「学校に行きたがらなくなった」
「家庭での声かけをどうすればよいか」
といった相談を受け、児童の特性を踏まえて具体的な助言や支援を行うケースが該当します。
2.家族支援加算(Ⅰ)
(Ⅰ)は、基本的に個別に家族等へ相談援助を行った場合の加算です。
児童発達支援・放課後等デイサービスなどでは、支援方法によって次のように単位数が設定されています。
| 支援方法 | 単位数 |
|---|---|
| 家族の居宅を訪問・1時間以上 | 300単位/回 |
| 家族の居宅を訪問・1時間未満 | 200単位/回 |
| 事業所等で対面相談 | 100単位/回 |
| オンラインによる相談 | 80単位/回 |
つまり、「家庭まで訪問しないと算定できない」というものではありません。事業所での面談やオンラインでの相談援助も対象になります。
3.家族支援加算(Ⅱ)
(Ⅱ)は、複数の児童・家族等を対象としてグループで相談援助を行った場合の加算です。
たとえば、事業所で保護者数名を集めて、職員が「発達障害のあるこどもへの家庭での関わり方」について説明し、それぞれの悩みについて相談援助を行うようなケースです。
| 支援方法 | 単位数 |
|---|---|
| グループで対面 | 80単位/回 |
| グループでオンライン | 60単位/回 |
したがって、非常に簡単に区別すると、
(Ⅰ)=個別の家族支援
(Ⅱ)=グループでの家族支援
と考えると分かりやすいです。
4.単なる「保護者との会話」とは違います
ここは実務上重要です。
送迎時に、
「今日は元気でした」
「昼食は全部食べました」
「宿題を頑張りました」
と伝えただけで、当然に家族支援加算になるわけではありません。
基本的には、個別支援計画等に基づいて、あらかじめ保護者の同意を得たうえで、児童や家族の課題について相談援助を行うことが必要です。告示でも、放課後等デイサービスについて、計画に基づき、あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得て相談援助を行うことが規定されています。
5.具体的にはどんな相談が対象になる?
例えば、次のようなものが考えられます。
- 家庭での児童への接し方についての相談
- 強いこだわりやパニックへの対応方法
- 不登校や学校生活についての相談
- 食事・睡眠・生活リズムについての相談
- 家庭でできる療育的な関わり方についての助言
- 保護者が抱えている養育上の不安への相談援助
- きょうだいを含めた家族関係についての相談
- 児童の障害特性について家族の理解を深めるための支援
つまり、「児童に直接療育を行った時間」に対する加算ではなく、児童を支えている家族そのものへの支援を評価する加算と考えると分かりやすいでしょう。
なお、令和6年度改定では、家族が実際の支援場面を観察・参加して、こどもへの関わり方を学ぶ場合の「子育てサポート加算」も別途設けられています。家族支援加算とは目的・要件が少し異なるため、区別が必要です。
こども家庭庁は令和6年度報酬改定の告示・留意事項通知・Q&Aをまとめて公開しています。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
要するに、家族支援加算とは「児童だけを見るのではなく、児童を支える家族にも専門的な相談・助言を行ったことを評価する加算」です。
なお、令和8年4月から報酬告示の改正がありますので、実際に2026年度(令和8年度)の請求をする場合は、最新の告示・留意事項通知で算定要件を確認する必要があります。
必要でしたら次に、**「家族支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)の具体的な算定要件・月何回まで算定できるのか・記録には何を書けばよいのか」**まで、実務向けに詳しく整理できます。
(A2)結論からいうと、個別支援計画作成後のモニタリングとして行う保護者との面談は、家族支援加算の算定対象にはなりません。
こども家庭庁の「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A」では、この点が明確に示されています。Q&Aでは、「個別支援計画作成後のモニタリングにおける保護者との面談についても算定対象となるか」という質問に対し、モニタリング時の面接は、運営基準上、児童発達支援管理責任者に求められている本来業務なので、家族支援加算の対象にはならないとされています。
たとえば、児童発達支援や放課後等デイサービスで個別支援計画を作成した後、児発管が保護者と面談して、「目標はどこまで達成できたか」「家庭での様子はどうか」「支援内容を変更する必要があるか」と確認する場合があります。これは個別支援計画のモニタリング業務そのものです。そのため、この面談だけを理由として家族支援加算(Ⅰ)を算定することはできません。
一方で、モニタリングとは別に、保護者から「家庭での癇癪への対応方法を相談したい」「きょうだいとの関係について具体的に助言してほしい」などの相談があり、家族支援加算の要件を満たす独立した相談援助を行った場合は、家族支援加算の対象となり得ます。ただし、単にモニタリング面談の中で通常確認する内容を「家族支援」と言い換えて算定することはできない、と考えるのが安全です。家族支援加算は、事業所内で個別相談を行う場合などには原則30分以上の相談援助が必要とされています。
整理すると、**「計画の評価・見直しのための面談=算定不可」「それとは別に行う家族への具体的な相談援助=要件を満たせば算定可能」**という区別になります。
実務上は、同じ日に両方を行う場合には、モニタリング記録と家族支援加算の相談援助記録を分けて、時間・目的・相談内容・助言内容が明確に区別できるよう記録しておくことが重要です。これは、家族支援加算が通常のモニタリング業務とは別の支援を評価する加算だからです。
例
「14:00~14:30 個別支援計画のモニタリング」→ 家族支援加算 ×
「14:30~15:00 家庭でのパニックへの具体的な対応方法について相談援助」→ 要件を満たせば家族支援加算 ○の可能性あり
つまり、保護者と面談したという事実だけではなく、その面談が「モニタリングなのか」「家族に対する独立した相談援助なのか」が判断のポイントです。
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