(Q)大学等への就学のため、局長通知第1の5による世帯分離や、大学等への就学にあたり居住を別にすることで被保護者でなくなった者から、その者自身の就学のために、その者が高等学校等に在学している間に同一世帯の被保護者が受領した貸付金(局第8の2の(3)のイに該当するものに限る)の償還金にあてるために、貸付金を受領した被保護者に対して金銭が恵与された場合、この金銭は次官通知第8の3の(2)のイの(ア)にいう「社会通念上収入として認定することを適当としないもの」に該当し、収入認定しなくてもよいのでしょうか?

(A)はい。この質問は少し複雑ですが、大学等への進学によって生活保護世帯から外れた子どもが、高校時代に自分の進学のために借りたお金を返済する目的で、生活保護を受けている親などにお金を渡した場合、そのお金を収入認定しなくてもよいのかという質問です。

① 結論

ご質問にある条件を満たす場合、その金銭は「社会通念上収入として認定することを適当としないもの」として、収入認定しない取扱いが認められます。

ただし、大学生から親への仕送りであれば、何でも収入認定から除外できるという意味ではありません。

高校在学中に本人の就学のために受けた、所定の貸付金の償還に充てる金銭であることが重要です。

② どのような場合が対象になりますか?

例えば、次のようなケースです。

生活保護を受けている母親と高校生の子どもがいます。

高校生の子どもが大学進学を希望していたため、母親が子どもの就学費用に充てる目的で、一定の貸付金を受け取りました。

その後、子どもは大学に進学し、生活保護上の世帯分離によって、生活保護の対象から外れました。

大学生になった子どもは、高校時代に自分のために借りてもらったお金を返済するため、母親に毎月1万円を渡すことにしました。

この場合、母親が受け取る1万円について、所定の要件を満たせば、収入認定しない取扱いができます。

③ なぜ収入認定しなくてもよいのですか?

理由は、そのお金が生活保護世帯の生活費を補うための仕送りではなく、大学生本人の就学のために生じた借入金を返済するためのお金だからです。

通常、生活保護を受けている親が、別居している子どもから仕送りを受けた場合は、原則として収入認定の対象になります。

しかし、今回のケースでは、お金の性質が異なります。

金銭の内容収入認定の取扱い
大学生の子どもが親に渡す通常の生活費原則として収入認定する
高校在学中に本人の就学のために受けた所定の貸付金の償還金要件を満たせば収入認定しない
貸付金の償還額を超えて渡されたお金超過部分について別途判断する

つまり、親が自由に生活費として使えるお金なのか、子ども本人のための借入金の返済に充てるお金なのかが判断のポイントになります。

④ 具体的な金額で説明します

生活保護を受けているAさんが、高校生だった子どもの就学費用として、所定の貸付金30万円を受け取ったとします。

その後、子どもは大学に進学し、世帯分離されました。

大学生になった子どもは、その貸付金を返済するため、毎月2万円をAさんに渡しています。

この場合、次のようになります。

項目金額
高校在学中に受けた貸付金300,000円
大学生の子どもから親に渡される金額月20,000円
実際の貸付金償還に充てる金額月20,000円
収入認定から除外できる金額月20,000円

このように、受け取った2万円が実際に対象となる貸付金の償還に充てられる場合には、収入認定しない取扱いが認められます。

一方、毎月3万円を受け取り、そのうち2万円だけを償還に充てる場合は、残りの1万円について別途収入認定の判断が必要です。

⑤ 福祉事務所では何を確認する必要がありますか?

実務上、特に重要なのは次の5点です。

  1. 大学等への就学によって被保護者でなくなった者からの金銭であること。
    世帯分離、または大学等への就学に伴う別居によって、生活保護の対象から外れた者であるかを確認します。
  2. 高校在学中に受けた貸付金であること。
    大学進学者本人が高校等に在学していた期間に、同一世帯の被保護者が受領した貸付金である必要があります。
  3. 局長通知第8の2の(3)のイに該当する貸付金であること。
    すべての借入金が対象になるわけではありません。
  4. 本人自身の就学のために受けた貸付金であること。
    親の生活費や、他の家族のための借入金では対象になりません。
  5. 受け取った金銭が実際に償還に充てられること。
    貸付契約書、償還予定表、返済記録などによって確認することが重要です。

⑥ 根拠となる通知

今回の質問に関係するのは、主に次の規定です。

① 次官通知第8の3の(2)のイの(ア)

社会通念上、収入として認定することが適当でない金銭についての規定です。

② 局長通知第8の2の(3)のイ

今回の取扱いの対象となる貸付金の範囲を判断するための規定です。

③ 局長通知第1の5

大学等への就学に伴う世帯分離に関係する規定です。

なお、今回の個別事例については、これらの通知に加えて、最新の実施要領の取扱いに関する問答を確認することが重要です。

⑦ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

大学等への進学によって生活保護世帯から外れた者が、高校在学中に自分の就学のために同一世帯の被保護者が受けた所定の貸付金を返済する目的で、その被保護者に金銭を渡した場合、その金銭は「社会通念上収入として認定することを適当としないもの」として、収入認定しない取扱いが認められます。

最も重要なのは、大学生から親への通常の仕送りではなく、大学生本人の就学のために生じた貸付金の償還に充てるお金であるという点です。

※今回の説明は、ご質問に示された通知上の要件を前提としたものです。個別の問答の最新原文までは照合できていないため、実際の認定では貸付金の種類と償還実績を確認してください。

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