(Q1)雇用保険法第57条により支給される常用就職支度金は、被保護世帯の自立更生のために充てられる額として取り扱ってよいのでしょうか?(Q2)常用就職支度金などの金銭は、収入として認定する必要がありますか?その根拠は何ですか?
(A1)はい。雇用保険法第57条に基づいて支給される「常用就職支度手当」は、一定の条件を満たせば、被保護世帯の自立更生のために充てられる金額として取り扱うことができます。
※法律上の正式名称は「常用就職支度手当」です。
① 常用就職支度手当とは?
常用就職支度手当とは、雇用保険の受給資格者などで、障害がある方や就職が困難な方が、安定した職業に就いた場合に、一定の要件を満たすことで支給される手当です。
就職を促進し、職業生活への移行を支援することを目的としています。
② 生活保護ではどのように取り扱いますか?
生活保護では、受け取った金銭は原則として収入認定の対象になります。
しかし、常用就職支度手当については、就職に伴う自立更生のために必要と認められる金額を、収入認定から除外できる場合があります。
例えば、次のような費用です。
| 使用目的 | 具体例 | 取扱い |
|---|---|---|
| 就職に必要な被服費 | 仕事用のスーツや作業服 | 必要な範囲で除外を検討できる |
| 通勤に必要な費用 | 通勤定期券など | 必要な範囲で除外を検討できる |
| 就労に必要な用品 | 安全靴や仕事道具 | 必要な範囲で除外を検討できる |
| 就職に必要な資格取得費 | 業務に必要な資格の取得費用 | 必要性に応じて判断する |
| 一般的な生活費 | 食費や日常の生活費 | 原則として収入認定の対象 |
③ 具体例
生活保護を受けているAさんが就職し、常用就職支度手当として20万円を受け取ったとします。
Aさんは就職に伴い、次の費用が必要になりました。
- 仕事用の被服費:3万円
- 通勤定期券:2万円
- 仕事に必要な道具:5万円
合計10万円です。
この場合、自立更生のために必要と認められる10万円については、収入認定から除外することが考えられます。
残りの10万円については、ほかに収入認定除外の対象となる費用がなければ、原則として収入認定の対象になります。
なお、上記の金額は説明のための例です。
④ 福祉事務所では何を確認しますか?
実務上は、主に次の点を確認します。
- 常用就職支度手当の支給額
- 就職に伴って必要となる費用の内容
- その費用が自立更生に必要かどうか
- 必要額が妥当かどうか
- 実際にその目的に使用されるかどうか
また、就職に必要な費用について、生活保護の生業扶助などから既に支給されている場合は、二重に計上しないよう注意が必要です。
⑤ まとめ
今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。
雇用保険法第57条による常用就職支度手当は、被保護世帯の自立更生のために充てられる金額として取り扱うことができます。
ただし、支給額の全額が自動的に収入認定から除外されるわけではなく、就職や自立更生のために必要と認められる金額について、収入認定から除外する取扱いになります。
重要なのは、常用就職支度手当が就職促進のための給付であることと、実際に自立更生に必要な費用として使用されることです。
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