(Q1)賃金改善額にはどのような法定福利費が含まれますか?(Q2)法定福利費には具体的にどのような項目(例:健康保険料、介護保険料など)が含まれていますか?

(A1)はい。**福祉・介護職員等処遇改善加算における「賃金改善額に含めることができる法定福利費」**について、具体例を交えて分かりやすく説明します。

① 結論

処遇改善加算では、職員の給与を引き上げたことによって、事業所が追加で負担することになった法定福利費の事業主負担増加分を、賃金改善額に含めることができます。

ただし、法定福利費の全額を含められるわけではありません。

あくまで、処遇改善による賃上げに伴って増加した部分が対象です。

② 対象となる法定福利費

主に次のものが該当します。

法定福利費の種類内容賃金改善額に含められる部分
① 健康保険料病気やけがなどに備える医療保険賃上げに伴う事業主負担の増加分
② 厚生年金保険料老後の年金などのための保険賃上げに伴う事業主負担の増加分
③ 介護保険料40歳以上65歳未満の医療保険加入者などが負担する保険賃上げに伴う事業主負担の増加分
④ 雇用保険料失業給付などのための保険賃上げに伴う事業主負担の増加分
⑤ 労災保険料業務上の事故や病気に備える保険賃上げに伴う事業主負担の増加分
⑥ 子ども・子育て拠出金事業主が負担する拠出金賃上げに伴う事業主負担の増加分

なお、実際に増加額が生じるかどうかは、保険の加入状況や保険料の計算方法などによって異なります。

③ 具体例

例えば、就労継続支援A型事業所で、職員の基本給を月額1万円引き上げた場合です。

仮に、賃上げに伴う法定福利費の事業主負担増加分が月額1,500円だったとします。

項目金額
基本給の引上げ額10,000円
法定福利費の事業主負担増加分1,500円
賃金改善額として計上できる合計11,500円

この場合、職員本人が受け取る給与の増加額は1万円ですが、処遇改善加算の賃金改善額には、法定福利費の増加分を含めて1万1,500円を計上できます。

※金額は説明のための仮定です。

④ 含めることができないもの

次のような費用は、原則として賃金改善額には含められません。

  • 賃上げ前から事業所が負担していた法定福利費
  • 賃上げとは無関係に増加した保険料
  • 職員本人が負担する社会保険料
  • 事業所の一般的な運営経費
  • 採用費、研修費、備品購入費など

例えば、事業所が毎月30万円の社会保険料を負担していたとしても、その30万円全額を処遇改善加算の賃金改善額として計上することはできません。

処遇改善によって増加した金額だけが対象となります。

⑤ 法定福利費を計上する際の注意点

実務上は、次の点に注意してください。

① 事業主負担分だけを計上する

職員の給与から天引きされる本人負担分は含めません。

② 賃上げによる増加分を確認する

給与改定前後の金額を比較し、処遇改善による増加額を確認します。

③ 二重計上しない

複数の補助金や加算で同じ費用を重複して計上しないようにします。

④ 根拠資料を保存する

給与台帳、賃金改善計画書、社会保険料の計算資料などを保存し、計上額を説明できるようにします。

⑥ まとめ

処遇改善加算の賃金改善額には、主に次の法定福利費の事業主負担増加分を含めることができます。

健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料・雇用保険料・労災保険料・子ども・子育て拠出金

ただし、重要なのは、「法定福利費の全額」ではなく、「処遇改善による賃上げに伴って増加した事業主負担分」だけが対象になるということです。

なお、実際の計上に当たっては、対象年度の処遇改善加算の通知や実績報告書の記載要領を確認してください。

(A2)はい。法定福利費とは、事業所が職員を雇用する際に、法律に基づいて負担する社会保険料などの費用のことです。

福祉・介護職員等処遇改善加算では、職員の賃金を引き上げたことによって増加した法定福利費の事業主負担分を、賃金改善額に含めることができます。

① 法定福利費に含まれる主な6項目

項目内容事業主の負担
① 健康保険料職員が病気やけがをした場合の医療費などを保障する保険原則として労使折半
② 介護保険料介護が必要になった場合の介護サービスを支える保険原則として労使折半
③ 厚生年金保険料老齢年金・障害年金・遺族年金などを支える保険労使折半
④ 雇用保険料失業時の給付や育児休業給付などを支える保険労使双方が負担
⑤ 労災保険料業務中や通勤中の事故・けがなどを保障する保険事業主が全額負担
⑥ 子ども・子育て拠出金子育て支援事業などの財源となる拠出金事業主が全額負担

※介護保険料は、原則として40歳以上65歳未満の医療保険加入者が対象です。雇用保険料の事業主と労働者の負担割合は同じとは限りません。

② 具体例

例えば、就労継続支援A型事業所で、職員の基本給を月額20万円から21万円に引き上げた場合を考えます。

給与が1万円増えることで、事業所が負担する社会保険料なども増加する場合があります。

仮に、次のような増加額だったとします。

項目月額増加分(仮定)
健康保険料500円
介護保険料80円
厚生年金保険料915円
雇用保険料90円
労災保険料30円
子ども・子育て拠出金36円
法定福利費の増加額合計1,651円

この場合、賃金改善額として計上できる金額は、次のようになります。

基本給の増加額10,000円+法定福利費の増加額1,651円=11,651円

※上記の金額は計算方法を説明するための仮定であり、実際の保険料率や増加額を示すものではありません。社会保険料は標準報酬月額などに基づいて計算されるため、給与が1万円上がっても直ちに同じ割合で増えるとは限りません。

③ 処遇改善加算で注意すること

ここが重要です。

法定福利費の全額を賃金改善額に含めることはできません。

処遇改善加算の賃金改善額に含められるのは、原則として、処遇改善による賃上げに伴って増加した事業主負担分です。

例えば、賃上げ前から事業所が負担していた健康保険料や厚生年金保険料は、そのまま賃金改善額に含めることはできません。

また、職員本人の給与から天引きされる社会保険料も、法定福利費の事業主負担増加分としては計上しません。

④ まとめ

法定福利費には、主に次の6項目が含まれます。

健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料、子ども・子育て拠出金

これらは、職員を雇用する事業所が法律に基づいて負担する費用です。

処遇改善加算では、このうち賃金改善に伴って増加した事業主負担分を、賃金改善額に含めることができます。

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