(Q)生活保護法63条に基づく保護費の返還額を決定する際、自立更生費はどのように扱われますか?
(A)生活保護法63条(費用返還)の場面では、自立更生費は「一定の範囲で控除(差し引き)」される可能性がある費用として扱われます。
ただし、必ず全額控除されるわけではなく、福祉事務所の判断(裁量)が入るのがポイントです。
わかりやすく説明します。
① 生活保護法63条とは
まず63条は次のようなケースです。
生活保護を受けていた人に後からお金が入った場合、保護費を返してもらう制度
例
- 交通事故の示談金
- 未払いの給与
- 相続財産
- 年金の遡及支給
このような「後からまとまった収入」があった場合、
その期間に支給された生活保護費を返還する可能性があります。
② 自立更生費とは
自立更生費とは
生活保護受給者が自立するために必要と認められる支出
例
- 就職するための費用
- 仕事道具の購入
- 引越費用
- 債務整理費用
- 医療・生活再建費用
- 社会復帰のための費用
つまり
「これを使えば生活が立て直せる」という支出です。
③ 63条返還と自立更生費の関係
63条で返還額を計算するときは
収入 − 自立更生費(として認められた額)=返還対象額
という形になります。
例
| 内容 | 金額 |
|---|---|
| 後から入ったお金 | 200万円 |
| 自立更生費として認められた支出 | 50万円 |
| 返還対象額 | 150万円 |
この 150万円を上限に返還額が決まるという考え方です。
④ 重要ポイント(実務)
行政実務では次のように扱われます。
① 自動控除ではない
→ 本人が「自立更生費として認めてほしい」と説明する必要あり
② 福祉事務所の裁量が大きい
→ 必ず認められるとは限らない
③ 領収書や用途説明が重要
⑤ よく認められる自立更生費(実務例)
よく認められるもの
- 就職準備費
- 引越費用
- 借金整理費用
- 家財購入
- 医療費
- 資格取得費
認められにくいもの
- ギャンブル
- 贅沢品
- 高額な娯楽
⑥ 一言でまとめると
生活保護法63条の返還額を決めるときは、自立のために必要と認められた支出(自立更生費)は差し引いて計算されることがあります。
ただし
自動的に控除されるわけではなく、福祉事務所が必要性を判断します。
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