(Q3)日本の公的な教育制度と民族学校との違いは何ですか?

(A3)結論

大きな違いは、日本の公的な教育制度に位置付けられた「学校」なのか、それとも民族独自の言語・文化・教育方針を重視して設置された学校なのかという点です。

ただし、「民族学校」という名称は法律上の正式な学校区分ではなく、民族学校の中にも学校教育法上の位置付けが異なる学校があります。

日本の学校制度では、学校教育法第1条に定める小学校、中学校、高等学校、特別支援学校など、いわゆる**「一条校」**があります。これらは国が定める学習指導要領等を基準として教育を行い、義務教育段階の公立小中学校では授業料を徴収しません。

一方、民族学校は、例えば母語、民族の歴史・文化などを重視した独自の教育を行うことが特徴です。その多くは、一条校ではなく**「各種学校」**などとして認可されています。ただし、民族学校すべてが同じ法的位置付けというわけではありません。文部科学省も、外国人学校について各種学校として認可されているものがあることを説明しています。

分かりやすく比較すると、次のようになります。

項目日本の小・中学校(一条校)民族学校(各種学校の場合)
法的位置付け学校教育法第1条の学校学校教育法上の各種学校など
教育内容学習指導要領等を基準に実施独自の教育課程を編成できる
使用言語主として日本語日本語以外の母語・継承語を使用する場合がある
民族文化の教育通常の教育課程が中心民族の歴史・言語・文化等を重視する場合がある
日本人児童の就学義務履行できる一条校でなければ原則として履行したことにならない
公的な費用支援義務教育について制度が整備学校の法的位置付けや制度によって異なる

特に注意したいのが、外国籍の子どもと日本国籍の子どもでは就学義務の取扱いが異なることです。外国籍の子どもの保護者には学校教育法上の就学義務は課されていませんが、希望すれば公立の義務教育諸学校に受け入れ、日本人児童生徒と同様に無償で教育を受ける機会を保障する取扱いになっています。文部科学省「外国人の子供の就学状況等調査」等の案内

一方、日本国籍の子どもについては、一条校ではない外国人学校・民族学校に通うだけでは、原則として学校教育法上の就学義務を履行したことにはなりません。文部科学省「いわゆるインターナショナルスクールについて」

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生活保護との関係

ここは実務上かなり重要です。

民族学校で教育を受けていることと、その費用を生活保護の「教育扶助」として支給できることは別問題です。

生活保護の教育扶助は、対象となる学校・費用が制度上定められています。そのため、

「子どもにとって必要な教育だから、民族学校の授業料・教材費・通学費をすべて教育扶助で支給できる」

とは限りません。

したがって生活保護実務では、まずその民族学校が学校教育法上どのような学校として位置付けられているかを確認し、そのうえで、授業料・教材費・通学費など個々の費用が教育扶助等の対象になるかを判断することが重要です。

簡単に言えば、**「日本の公立小中学校は日本の学校教育制度そのものに組み込まれている。一方、民族学校は民族の言語・文化等を重視した独自教育を行い、各種学校等として位置付けられている場合が多いため、就学義務や公的費用支援の扱いが異なる」**というのが大きな違いです。

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