(Q3)未公開株券など、直ちに処分することが困難な有価証券を保護申請時に保有している場合、どのような取り扱いになりますか?
(A3)未公開株券など、すぐには売却・換金できない有価証券を生活保護の申請時に持っている場合でも、それだけを理由に直ちに保護を認めないという扱いにはなりません。 厚生労働省の実施要領では、一定の条件のもとで例外的な取扱いが示されています。
具体的には、**「直ちに処分することは困難だが、一定の期限が来れば処分できることが明らかな有価証券」**については、保護を適用したうえで、将来その有価証券を処分できるようになった時点で活用する、という考え方です。
たとえば、保護申請時に未公開株を保有していても、
- 譲渡制限などがあり、今すぐには売却できない
- しかし、一定期限の到来などによって将来売却できることが明らか
- 現在は現金や預貯金が乏しく、最低生活を維持できない
という場合には、「株を持っているから、売れるまで生活保護は受けられない」と機械的に扱うのではなく、保護を開始できる場合があります。
ただし、これはその有価証券の保有を恒久的に認めるという意味ではありません。処分可能になった時点では、原則として売却・換金して生活のために活用することが求められます。 生活保護法4条では、利用できる資産を最低生活の維持のために活用することが基本原則だからです。
また、将来その有価証券を処分して金銭を取得した場合には、生活保護法63条による費用返還の問題が生じます。つまり、申請時には現金化できなかったため保護を受けたものの、後になって資産を現金化できた場合には、その資力との関係で、すでに支給された保護費について返還を求められることがあります。
たとえば、
未公開株を100万円相当保有しているが、申請時には譲渡できない
↓
所持金がなく生活できないため生活保護開始
↓
半年後に譲渡制限がなくなり、株を売却して100万円を受領
↓
その100万円について資力として扱い、63条返還等を検討
という流れです。
したがって、簡単にまとめると、**「未公開株券など、申請時に直ちに処分できないものでも、一定期限後に処分できることが明らかであれば、資産があるという理由だけで保護を拒否せず、いったん保護を適用することができる。ただし、処分可能になったら活用し、売却代金を得た場合には生活保護法63条による返還の対象となり得る」**という取扱いです。
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