(Q1)強度行動障害児支援加算の要件や単位数が大きく見直されたとのことですが、改定前の要件による評価を一定期間受けられる経過措置は設定されていますか?(Q2)新たに設けられた加算の開始から908日以内の期間についての500単位の加算について、改定前の強度行動障害児支援加算を算定していた場合、その起算点はいつからとなりますか?

(A1)結論からいうと、改定前の要件による評価を一定期間続けられる経過措置は設定されていません。

こども家庭庁の「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.2」では、令和6年4月1日以降は、改定後の要件・単位数による評価となり、経過措置は設けないと明確に示されています。

令和6年度改定前は、強度行動障害支援者養成研修の基礎研修修了者を配置し、児基準20点以上の児童に支援を行った場合に、155単位/日を算定する仕組みでした。改定後は、実践研修修了者の配置や支援計画シート等の作成などを要件として、強度行動障害児支援加算(Ⅰ)が200単位/日、より状態の重い児童を対象とする(Ⅱ)が250単位/日となりました。

ただし、完全に猶予がなかったわけではありません。令和6年4月分に限って、支援開始前までに支援計画シート等が完成していなくても、4月分の報酬を請求する時点までに作成されていれば算定可能という特例的な取扱いが設けられました。これは「経過措置」ではなく、支援計画シートの作成に一定の時間が必要なことを考慮した当面の取扱いです。

また、改定後には、加算の算定開始から90日以内について、さらに500単位/日を上乗せする仕組みも設けられました。これは経過措置ではなく、利用初期に手厚い支援が必要になることを評価するものです。

特に重要なのは、改定前から強度行動障害児支援加算を算定していた児童であっても、この500単位の起算日は令和6年4月1日と一律に決まるわけではないという点です。令和6年4月1日以降、新しい要件のもとで強度行動障害児支援加算の算定を開始した日が90日間の起算点になります。

したがって、整理すると、

「旧制度の155単位をしばらく継続できる経過措置」→ なし

「令和6年4月の支援計画シート作成についての特例」→ あり

「新要件で算定を開始してから90日以内の+500単位」→ あり

という違いになります。

つまり、令和6年4月1日からは原則として新しい算定要件に切り替わっており、「以前から算定していたから、しばらく旧要件の基礎研修修了者の配置だけで155単位を算定できる」という扱いにはなっていません。

(A2)結論として、改定前から強度行動障害児支援加算を算定していた児童についても、500単位加算の90日間の起算点は、令和6年4月1日ではなく、令和6年4月1日以降に「新しい要件」で強度行動障害児支援加算の算定を開始した日です。 こども家庭庁のQ&Aで明確に示されています。

たとえば、令和6年3月以前から旧制度の強度行動障害児支援加算を算定していた児童について、令和6年4月10日から、実践研修修了者が作成する支援計画シート等に基づく新しい要件での加算算定を開始した場合は、

令和6年4月10日が90日の起算点

となります。

つまり、旧制度で「いつから加算を算定していたか」は、この500単位加算の起算点にはなりません。Q&Aでは、「90日間の500単位の加算については、令和6年4月1日以降、新たな要件の下で本加算の算定を開始した日を90日の起算点とする」とされています。

したがって、整理すると、

旧加算を令和5年から算定 → 令和6年4月15日に新要件で算定開始 → 4月15日から90日以内が+500単位の対象

という考え方になります。

なお、この500単位は、利用開始直後など初期段階で特に手厚い支援が必要になることを評価するものです。そのため、90日間が終了した後、同じ事業所で一度利用を終了して再利用したとしても、改めて90日間を取り直して算定することはできません。

ここは似た制度と混同しやすい点にも注意が必要です。障害児入所支援の「強度行動障害児特別支援加算」の+700単位については、改定前に算定していた場合、旧加算を開始した日が90日の起算点とされています。

つまり、

障害児通所支援の+500単位 → 新要件で算定開始した日から90日

障害児入所支援の+700単位 → 改定前から算定していた場合は旧加算開始日から90日

という違いがあります。ここは実務上かなり重要なポイントです。

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