(Q1)現に就労している者の稼働能力の活用状況が十分であるかどうかは、どのように判断すればよいですか?(参考:局長通知第4で示された稼働能力の活用についての判断基準は、現に就労している者にも当てはまります)(Q2)本人の現在の就労状況は、どのような基準で評価されますか?(参考:評価は、本人の稼働能力に基づいて行われます)

(A1)現に就労している人についても、「働いているから稼働能力を十分活用している」と自動的に判断するわけではありません。 その人が本来持っている稼働能力と比べて、現在の仕事・勤務時間・収入などが妥当な水準かを確認して判断します。厚生労働省の課長通知第4・問1でも、この考え方が明示されています。

まず、その人の稼働能力そのものを評価します。年齢や健康状態だけではなく、**資格、技能、これまでの職歴・生活歴、就労経験などを総合的に見て、「どの程度働くことが可能な人なのか」**を判断します。

そのうえで、現在の就労状況がその能力から見て妥当かを確認します。たとえば、週5日・フルタイムで働ける能力があり、実際にもその程度働いているのであれば、通常は稼働能力を十分活用していると評価しやすくなります。

逆に、健康上特に問題がなくフルタイム勤務が可能と考えられるのに、週1~2日、1日数時間しか働いておらず、収入も著しく少ない場合には、「なぜ勤務時間が少ないのか」まで確認する必要があります。 厚労省の就労支援関係資料でも、現に就労しているが活用が十分でないと考えられる場合には、就労日数、就労時間、職務内容、勤務時間等が少ない理由、本人が抱える就労上の悩みなどを確認するとしています。

ただし、勤務時間や収入が少ないからといって、直ちに「稼働能力を活用していない」とは判断しません。例えば、病気や障害、育児、家族の介護、利用できる求人が少ない、勤務先からシフトを減らされているなど、本人だけではどうにもできない事情がある場合には、それを考慮します。特に「就労の場を得られるか」の判断では、地域の有効求人倍率や求人内容などの客観的情報に加え、育児・介護など就労を阻害する要因も踏まえることとされています。

例えば、本人にはフルタイム勤務の能力があるものの、現在の勤務先では週20時間しかシフトを入れてもらえないとします。この場合、本人が勤務時間の増加を希望し、会社にも相談し、さらに他の求人も探しているのであれば、単に収入が低いという理由だけで能力活用が不十分とは言い切れません。

一方、十分働ける能力があり、地域にも適切な求人があるにもかかわらず、特段の事情なく勤務時間を増やすことも転職することも拒み、少額の収入にとどまっている場合には、稼働能力の活用が十分でないと判断される可能性があります。局長通知でも、現に就労機会を得ているのに、本人の稼働能力や同種就労者の収入状況からみて十分な収入を得ていない場合は、指導等を検討する場面として挙げられています。

したがって、判断のポイントは、

「現在いくら稼いでいるか」だけではなく、本人の能力に照らして現在の働き方が妥当か、勤務時間や収入が少ないことに合理的な理由があるか、より適切な仕事を得ることが現実に可能か、本人が能力を活用しようとしているか

を総合的に見ることです。必要に応じてケース診断会議や稼働能力判定会議等で組織的に検討することも求められています。

要するに、「働いているか・いないか」の二択ではなく、その人の稼働能力に対して現在の就労が妥当な水準にあるかを中心に、健康、資格・職歴、勤務時間、収入、求人状況、育児・介護等の事情を含めて客観的・総合的に判断するということです。

(A2)本人の現在の就労状況は、「今どれだけ働いているか」だけではなく、その人が本来持っている稼働能力に照らして、現在の働き方が妥当な水準かどうかで評価します。厚生労働省の課長通知・第4問1でも、現に就労している人について、現在の就労状況が本人の稼働能力から見て妥当な水準にあれば、稼働能力を活用していると判断できるとされています。

まず、本人の「稼働能力」を把握します。この評価では、年齢や病気の有無だけではなく、資格、技能、生活歴、職歴、これまでの就労経験などを客観的・総合的に見ます。 例えば、健康状態に問題がなく、長年フルタイムで働いてきた経験や資格がある人であれば、一般的には相応の就労能力があると評価されやすくなります。

そのうえで、現在の仕事について、勤務日数、1日の勤務時間、仕事内容、賃金・収入額、雇用形態などが本人の能力に見合っているかを確認します。

例えば、本人の健康状態や職歴から週5日の勤務が十分可能であり、実際に週5日フルタイムで働いているのであれば、基本的には「稼働能力を十分活用している」と判断しやすくなります。

反対に、十分な就労能力があると評価されている人が、理由もなく週1日・数時間しか働いていないような場合には、現在の就労状況が本人の能力から見て妥当な水準なのかをさらに検討する必要があります。

ただし、ここで「収入が少ない=能力を活用していない」と単純には判断しません。現在の勤務時間や収入が少ないことについて、例えば勤務先からシフトを増やしてもらえない、地域に適切な求人がない、育児や介護の必要がある、健康状態に一定の制約があるなどの事情があれば、それも考慮します。厚労省通知でも、就労の場を得られるかについては、地域の求人状況などの客観的情報と、育児・介護などの就労阻害要因を踏まえて判断するとされています。

例えば、

Aさん:40歳、健康状態良好、事務職経験10年、週5日フルタイム勤務
→ 本人の能力に見合った働き方であれば、稼働能力を活用していると判断できます。

一方、

Bさん:40歳、健康状態良好、フルタイム勤務経験あり、現在は週2日・1日3時間勤務
→ すぐに「活用不足」と決めるのではなく、なぜ週2日しか働いていないのかを確認します。勤務先の都合でシフトが増えず、本人が勤務時間の増加や転職のために求職活動をしているのであれば、事情を踏まえて判断します。

逆に、本人の能力から見てもっと働くことが可能で、適切な求人もあるにもかかわらず、特段の理由なく勤務時間を増やすことや求職活動を拒んでいる場合には、稼働能力の活用が十分でないと判断される可能性があります。 局長通知でも、現に就労機会を得ているのに、本人の稼働能力や同種の就労者の収入状況等から見て十分な収入を得ていない場合が検討対象として示されています。

したがって、簡単にまとめると、**「本人の年齢・健康・資格・職歴等から評価した稼働能力」と「現在の勤務日数・時間・仕事内容・収入」を比較し、現在の働き方が本人の能力に見合った妥当な水準かを判断する。妥当でない場合には、求職努力や地域の求人状況、育児・介護・健康上の事情まで含めて総合的に判断する」**ということです。

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