(Q3)絶対的扶養義務者以外の3親等内の親族について、どのような場合に扶養義務が課せられる「特別の事情」が認められますか?
(A3)はい。絶対的扶養義務者ではないその他の3親等内の親族については、親族であるというだけで当然に扶養義務が課されるわけではありません。民法877条2項では、「特別の事情」がある場合に、家庭裁判所が扶養義務を負わせることができるとされています。
生活保護の実施要領では、この「特別の事情」について、親族間に実際の「生活共同体的な関係」があり、その実態に応じて扶養関係を認めるのが相当かどうかという観点から判断するとされています。単に「叔父だから」「甥だから」といった血縁関係だけでは足りません。
具体的には、少なくとも次のような場合が該当するとされています。
- 過去にその親族が、要保護者やその世帯員から扶養を受けていた場合
- 遺産相続などについて、その親族が要保護者やその世帯員から利益を受けたことがある場合
- 親族間の慣行や地域の慣行から、その親族が要保護者を扶養することが期待される立場にある場合
例えば、叔父が以前、申請者から長期間生活費の援助を受けており、その後叔父の経済状態が良くなったというケースでは、過去の扶養関係から「特別の事情」があると判断される可能性があります。
また、申請者の財産を相続するなどして大きな利益を受けた親族についても、「過去に利益を受けた」という事情から、特別の事情に該当する可能性があります。
ただし、この3つに該当すれば自動的に扶養義務が成立するわけではありません。 厚生労働省も、機械的に取り扱わず、当事者間の関係や親族・地域における扶養の慣行などを総合的に判断するよう示しています。
さらに、生活保護実務では、「特別の事情」があるだけでなく、その親族に扶養能力があると推測されることも重要です。たとえば過去に扶養を受けた叔母であっても、現在その叔母自身が生活に困窮しているのであれば、現実に扶養を期待することは難しくなります。
したがって、簡単にまとめると、**「その他の3親等内の親族については、単なる血縁だけでは扶養義務を求めず、過去の扶養関係、相続による利益、親族・地域の慣行などから、通常以上に密接な生活共同体的関係があり、かつ扶養能力がある場合に『特別の事情』があるものとして検討する」**ということです。
なお、民法上、実際に877条2項による扶養義務を新たに負わせるのは家庭裁判所です。福祉事務所が独自に「叔父だから法的な扶養義務者です」と決められるわけではありません。
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