(Q1)家屋内に入った土砂の除去費用等の契約要素が異なる場合、水害等で家屋内に入った土砂を除去する費用を住宅維持費として認定して差し支えないか?(Q2)住宅維持費として火災保険料や保証料のみを定期的に認定してよいか?
(A1)はい。一定の条件を満たせば、水害等で家屋内に流入した土砂の除去費用を「住宅維持費」として認定して差し支えありません。
生活保護の問答では、この点について、災害救助法その他の他法他施策による措置が行われない場合で、さらに次の3つの条件を満たすときは、住宅維持費として認定できると整理されています。
- 家屋内への土砂の浸入によって、日常生活に支障が生じていること
- 世帯員の中に、自力で土砂を除去できる人がいないこと
- 近隣住民や親族・知人からの援助も期待できないこと
たとえば、大雨によって床上まで土砂が入り、寝起きや炊事ができない状態になっている一人暮らしの高齢者で、本人には土砂を運び出す体力がなく、親族や近隣からも援助を受けられない場合です。このようなケースでは、他の災害支援制度やボランティア等でも対応できなければ、業者に依頼する必要最小限度の土砂撤去費用を住宅維持費として認定できる可能性があります。
また、局長通知第7の4の(2)では、住宅維持費について、家屋の補修だけでなく**「その他維持のための経費」**も対象としており、災害によって補修等が必要になった場合には、すでにその年度に住宅維持費を支給していたとしても、被災時点から新たに住宅維持費を認定して差し支えないとされています。
ただし、災害救助法による支援、自治体の災害支援制度、災害ボランティアなどで土砂撤去が可能な場合には、まずそれらの他法他施策の活用可能性を確認することになります。
したがって、簡単にまとめると、
「水害等で家屋内に土砂が入り日常生活ができず、本人・世帯員では除去できず、親族や近隣の援助も期待できず、さらに災害救助法等の他制度でも対応できない場合には、必要最小限度の土砂除去費用を住宅維持費として認定して差し支えない。」
という取扱いです。
(A2)原則として、火災保険料や保証料を「住宅維持費」として定期的に認定する取扱いではありません。 これらは、必要やむを得ない場合に、**「契約更新料等」**として認定するのが基本です。
厚生労働省の局長通知第7の4(1)クでは、借家・借間の契約更新等に際して契約更新料等が必要な場合、住宅扶助の特別基準額の範囲内で必要額を認定できるとしています。
そして課長通知第7・問88では、
契約更新料等として、更新手数料、火災保険料、保証料を認定してよいか。
について、**「必要やむを得ない場合には、契約更新に必要なものとして認定して差し支えない」**と明示されています。
一方、住宅維持費は性質が異なります。局長通知第7の4(2)では、現に居住する家屋の畳・建具・水道設備・配電設備等の修理や、家屋の補修その他維持のための経費を対象としています。つまり、主として建物そのものを維持・補修する費用です。
したがって、例えば、
「2年ごとに火災保険料15,000円が必要」
「毎年、家賃保証会社の更新保証料10,000円が必要」
という場合、これを毎回「住宅維持費」として認定するのではなく、賃貸借契約を継続するために必要やむを得ない費用であることを確認し、契約更新料等として認定するのが適切です。賃貸借契約そのものの更新月と火災保険・保証契約の更新月がずれている場合でも、前のご質問のとおり、必要となった時期に認定することは可能です。
また、重要なのは、「毎年請求されるから自動的に毎年支給する」ということではない点です。その都度、契約上支払いが必要なのか、金額は妥当か、必要やむを得ない費用なのかを確認して認定します。
簡単に整理すると、
火災保険料・保証料 → 原則「住宅維持費」ではない
→ 必要やむを得ない場合には「契約更新料等」として住宅扶助で認定できる
という理解が適切です。
特に、住宅維持費の年間限度額と、契約更新料等の限度額は別の枠組みなので、実務ではここを混同しないことが重要です。
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