(Q3)Aさんが居住するマンションの処分価値が3000万円の場合、Aさんはこのマンションに居住したまま生活保護を利用することができますか?

(A3)処分価値が3,000万円あるマンションの場合、300万円や1,000万円の場合に比べると、そのまま保有して生活保護を受け続けることはかなり難しくなる可能性があります。 ただし、「3,000万円だから自動的に売却・保護不可」と決まるわけではありません。

生活保護では、居住用不動産についても、価値が高い場合は「資産として活用すべきではないか」を慎重に検討します。厚生労働省の問答では、ケース診断会議等で、①見込処分価値、②実際に売却できるか、③転居できるか、④本人の健康状態・生活歴、⑤近隣関係、⑥自立可能性、⑦地域の低所得世帯の持ち家状況などを総合的に検討するとされています。

特に3,000万円程度の処分価値があり、売却すれば相当長期間、自分の資産で生活できると見込まれる場合には、生活保護法4条の「資産活用」の考え方から、売却を求められる可能性は高くなります。

例えば、3,000万円で売却でき、住宅ローンなどを差し引いても2,500万円程度が手元に残るのであれば、その資金をまず生活費や住居費として活用することが通常検討されます。このようなケースで、何の特別な事情もなく高額なマンションを保有したまま保護費を受給することは、他の被保護世帯・低所得世帯との均衡や生活保護の補足性の観点から問題となりやすいといえます。

一方で、例外的な事情があれば保有継続が検討される余地はあります。たとえば、本人が重い障害や高齢などの事情を抱え、転居によって生活を維持することが著しく困難である、特殊な権利関係があって現実には3,000万円で処分できない、共有物件等で売却が極めて困難である、といった事情です。そのため福祉事務所は、不動産会社等による実際の売却見込額まで精査して判断します。

なお、ケース診断会議にかける際の「選定目安額」は、標準3人世帯の生活扶助基準額と住宅扶助特別基準額を基礎としておおよそ10年分を計算し、地域事情などで補正する方法が示されています。しかし厚労省は、この金額はあくまで**「ケース診断会議で検討するかどうかの目安」であり、保護の可否を決める基準ではない**と明記しています。

ですので、整理すると、

300万円程度
→ 保有容認を検討できる余地が比較的大きい

1,000万円程度
→ ケース診断会議等で資産活用を慎重に検討

3,000万円程度
→ 売却によって相当期間生活できる可能性が高いため、売却・資産活用を求められる可能性がかなり高くなる

というイメージです。

要するに、「3,000万円だから絶対に生活保護不可」ではありませんが、実際に3,000万円程度で容易に売却でき、転居にも特段の支障がないのであれば、そのマンションを保有したまま生活保護を利用することは一般的には難しく、まず売却等による資産活用を求められる可能性が高いと考えると分かりやすいです。

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